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ゲームセット
この言葉を聴く事が僕は好きではなかった。
楽しいゲームが終わってしまうからだ。
「ゲームセット、ウォンバイ芥川。」
こんなに楽しいゲーム終りにしたくなかった。
何時も眠くて何もしたくないのにこの瞬間だけは何時も目が覚めていた。
「楽しい時間が直ぐに過ぎてしまうのは何故なんだろう・・・。」
大好きな時間、それはテニスをしている時間、試合をしている時間。
でもそれは直ぐに過ぎてしまう時間。
それが過ぎてしまったらまた退屈な毎日に戻されるんだ。
「退屈ってなんなんだろう。
俺にとっては邪魔な物でしかないのに。」
じゃあ今の状況はどうだ?
退屈なんて微塵も感じないだろう?
だって目の前に銃を俺に向けた忍足が立ってるんだから。
「・・・俺、聞きたい言葉、間違ってないよね・・・。」
『ゲームセット。』
「ゲームセット、ウォンバイ芥川。」
勝ってしまった事をこんなにも後悔した事はないんだ。
でも俺は勝ちに拘っていたのかも知れない。
「ゲームセットだ。」
俺の優勝が決まった。
でも涙が止まらないんだ。
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