カウントダウン

 

 

 

 

 

俺はお前が嫌いだった。

 

 

 

 

知ってたよ、知ってたよ・・・。

 

そんな事、当の昔に知ってたよ。

 

君は何時も俺をコンプレックスに思っていたものね。

 

 

 

 

2年と半年前、俺とお前は出会った。

 

その時のお前の第一印象は忘れられない。

 

あんなに凄そうな奴初めて見たからだ。

 

実際にお前は勉強もテニスも凄く上手かった。

 

でも俺には敵わなかったな。

 

 

 

 

「真田くんに幸村くん、柳くん。

 

今年の1年生、凄いよね。

 

しかも全国制覇しちゃうし・・・・・。」

 

 

 

 

俺は3人でテニスが出来るの何よりも楽しみにしていた。

 

近所にあるテニススクールでは物足りなかったからだ。

 

わざわざ全国常連校に入った事を正解だと思った。

 

でも真田は何処か俺を嫌っている気がしていた。

 

 

 

中2の冬、俺は原因不明の病気で倒れた。

 

その所為でジュニア選抜合宿にも参加を許されなかった。

 

 

 

真田と柳、他のメンバーも俺の見舞いによく顔を出してくれた。

 

俺は心の底からうれしかった。

 

メンバーは俺を部長にすると言っていたが、真田の顔は浮かない表情をしていた。

 

お前は心の何処かで自分よりも上にいる俺が憎かったのか?

 

それとも真剣に部の心配をしていたのか。俺には分からない。

 

ただ、俺が病院に運ばれる時にお前の口元がかすかに上がった事だけは

 

鮮明に覚えている。

 

最高の実力、努力を惜しまないお前に目の前にいる俺は邪魔以外の何者でも

 

なかったのかもしれないが。

 

 

 

 

 

「真田、何で怯えているんだ?」

 

 

 

 

 

俺は自分のこめかみに銃を当てた。

 

そしてゆっくりと引き金に指を乗せた。

 

 

 

 

「俺が憎かったんじゃないのかい?

 

殺したい位、俺の影に隠れているのが嫌だったんじゃないのか?」

 

 

 

 

声に成らないんだね、真田。

 

皇帝と呼ばれたお前に相応しくない姿を俺にさらすなんてお前らしくないな。

 

しりもちを着いて後ずさりなんて。

 

しかも俺は自分のこめかみに銃を当てているというのに・・・。

 

 

 

 

「その焦った顔、前に対戦した選手達に見せてあげたいよ。」

 

 

 

 

俺は指を3本立てた。

 

 

 

 

「この指が無くなったら、俺は引き金を引く。

 

何でそんな顔をするんだい?

 

君が死ぬわけじゃないのに・・・・。

 

あぁ人が死ぬのが怖いのかい?」

 

 

 

 

1本指を引く度に真田の顔色は優れなくなってきた。

 

2本目を引くと顔を横に振り泣きそうな顔をしている。

 

3本目の指を引くと真田は俺に向かって来た。

 

 

 

真田、其処はね・・・地雷が埋まっているんだよ・・・。

 

 

 

「ゲームセット、君はやっぱり俺には敵わないな。

 

所詮は負け犬、冷静な判断が出来ないから負けるんだ。

 

越前に負けた時の様にね・・・・。」