最初の犠牲者

 

 

 

 

今でも鮮明に覚えている。

 

あまりにも綺麗な赤が俺の首から飛び出したから。

 

周りにいた奴らは俺に駆け寄ったけれど、俺の息はすでになかった。

 

即死だった。

 

乾先輩は「即死だっただけ、よかったのかも知れない。

 

海堂は苦しまなかったんだからな」と悲しそうな顔で俺を見ていた。

 

越前もいつも言い争いばっかりの桃城も大粒の涙を流していた。

 

 

 

 

俺が死んだのは、一日目に誰も死ななかったせいだ。

 

これは俺にとっても嬉しいことだ。

 

こんな狂ったゲームに乗る奴なんて、どうかしている。

 

だからランダム操作で犠牲になった事を恨んだりはしない。

 

 

 

手塚部長が何かを呟いている。

 

微かにだが、「海堂の身体が傷付かない場所に移動しよう」

 

と言っている様に聞える。

 

俺の身体なんてどうでも良かった。

 

部長たちが生き抜いてくれればそれで、よかったのに。

 

涙が溢れてきた。

 

死んだはずの俺の身体から、確かに涙が溢れていた。

 

 

 

「海堂、お前・・・・」

 

 

 

「海堂先輩・・・・」

 

 

 

後輩とタメの奴に心配されるなんて情けない。

 

でも、これから、皆が同じ目に合うのかと思うと涙は止まらなかった。

 

その三日後、青学は全員死亡した。

 

 

 

俺は全てを見ていた。

 

皆、政府に殺された。

 

他の学校の奴も、全員。

 

 

 

抵抗した事で俺たちの世代のBRは無効試合となった。

 

雨が降り始めると仲間を今でも思い出す。

 

死しても、俺たちは仲間だから。