一層のこと君を憎めるのならば

 

 

 

 

「・・・うっかり、殺してしまった」

 

 

 

「そうか、だが正当防衛だ。

 

そういう事もあるさ」

 

 

 

そう手塚は言い残して、僕の元を去った。

 

僕が人殺しである事に違いはなかったからだ。

 

仲間は僕を恐れて、僕を仲間から外した。

 

僕が殺した相手は、菊丸英二だった。

 

 

 

「不二・・・」

 

 

 

僕のところを離れる時、タカさんが寂しそうな声で僕を呼んだ。

 

 

 

 

「・・・平気だよ。一人でも僕はがんばれるから」

 

 

 

タカさんを心配させないために嘘をついた。

 

それが一番の得策だったから。

 

今、僕とタカさんが一緒に行動していたら、仲間を危険な目に

 

遭わせる事になる。

 

仲間から離れたタカさんは、僕みたいには強くなれないだろう。

 

 

 

「一層のこと、君たちを憎みたかった・・・。

 

でも君の顔が僕をそれから放してくれたんだ。

 

だから・・・早く仲間と行くべきだ・・・」

 

 

 

タカさんの背中を見送ると、僕は涙を堪えた。

 

一層のこと、君を憎めたらよかった。

 

 

 

 

一層のこと、君を憎めるのならば、こんなに辛い思いはしなかった。

 

僕からの最後の言葉は、また明日だった。

 

 

 

 

そして、数日後、僕とタカさんは再会した。