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ss.64 信念の在処
「プログラムには君の協力が必要だ」
髪の毛を引っ張り、顔を上に向かされた男は虚ろな目で
ライフルを手にしている兵士に目をやった。
髪を掴んでいるのは、指令官なのだろうか、聞き覚えのある声だった。
「俺は・・・死んだはずだ」
「君は宍戸くんに打たれ、海に落ちた。
陸から離れた者は、首輪が爆発することになっているが、運良く助かった。
それを運命だとは思わないかい?」
数日後、俺はまだ続いているバトルロワイヤルに再戦する事になった。
武器は政府のライフル、傷は綺麗に処置がされ、体力も大分回復していた。
しかし、政府は俺に政府の人間として、持ち場に付くようにといわれた。
「・・・・・・この戦いは明日で終りそうですね」
「終わらなかったら、君の出番ですよ。河村くん」
「はい・・・・・・」
今持っているライフルで男の頭をぶち抜いたら、何人の仲間が
あと何日生きられるのだろうかと考えると、目頭が熱くなった。
それでも、俺は自分の命可愛さに、
仲間を殺さなければならなくなるかも知れない。
「・・・・・・ありがとう河村くん。
君のお陰で、兵士が一人救われたよ」
そう呟くと政府の人間は、その場を後にした。
そして、1日後、その時はやってきた。
「残りは、不二くんと手塚くん、そして桃城くんですね。
見事に青学が残りましたが、平気ですか?」
「・・・はい」
そう呟くとゆっくりと立ち上がった。
もう着慣れた軍服は、自分の肌のように感じた。
「誰かを殺せばいいんです。
そうすれば、あとは2人で殺し合ってくれるでしょう」
ゆっくりと足を進めて外に出ると、さっそく不二と眼が合った。
まさかこんなに近くにいるとは思わなかった所為か、足がすくんでいた。
「タカさん、生きていたんだね」
「あぁ、不二」
「そうか、河村」
手塚が不二の頭に銃を突きつけながら、林から出て来た。
「・・・手塚・・・・」
「殺さなければならない人間がこんなに残っているとはな」
ライフルを手塚に向けると、不二を盾にして前進してきた。
「・・・政府に身を置くとは・・・・・・」
警告音が響き渡っていた。
それは誰の首輪からでもなく、俺の首からだった。
「・・・どういう・・・・」
咄嗟に手塚に抱きつくと、不二をなるべく遠くに突き飛ばした。
「ごめん、不二」
そういい残すと、本来首輪なら爆発しない範囲にまで爆発していた。
手塚の首も俺の首と同じ様に飛び散っていた。
「タカさん」
「不二先輩・・・・・・」
ライフルを拾うと桃城は不二に突きつけてきた。
隠れていたのは知っていたが、不二は油断していたのだ。
「さよなら」
ライフルの引き金を弾くと、桃城の身体も爆発した。
銃の暴発は予想外の出来事だった。
「タカさん・・・・」
優勝者 不二周助 |