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死との対面
僕が死んだ日、それは他の仲間も死んだ日だった。
真っ暗で孤独、それは知っていたけど、こんなにも悲しい事だとは
思わなかった。
「・・・新しい名前と新しい家族、これで全て元通りだ」
誰かが、見覚えのある顔の男に声を掛けている。
その男が頷くと、俺はある事に気が付いた。
何故、奴らは俺に気が付かないのかと。
「ありがとうございます。明日からは、この名前で生きていきます。
八年後、僕がここに戻ってきたら、またあそこに連れて行ってください」
俺は見覚えのある顔の男を見つめた。
すると男も俺を見上げてきた。
俺は宙に浮いているようだった。
「どうかしましたか?」
「いえ、昔の友人が俺を見つめているような気がして・・・」
「気のせいですよ、死の後には無しか残らないのですから。
幽霊や、死後の世界を信じている人なんているのでしょうか?」
「・・・僕は、前は信じていましたよ。
とても素敵な事じゃないですか、死んでから別れてしまった者と
会えるなんて」
俺はその男に何かを伝えようとしていた。
声にならないが、言葉にもならなかった。
「・・・そうですね。
あなたが殺してしまった人、全ての人に出会ったらあなたは
耐えられるのですか?」
「無理でしょうね、僕は人殺しなんですから。
友人には会えないでしょう・・・」
俺は只、見下ろしていた。
この白い建物から出れば、全てが終わってしまう気がしていた。
俺は何かを伝えるために、この男を見下ろしている。
「すみません、前の名前が書かれたノートが
机の上に置きっぱなしなんです」
止めてくれ、ここから出たら俺は消える・・・?
どうしてそう思うんだ?
何故・・・?
「これですか?」
「・・・桃城武はもう死んだ。
そんな人間は存在していない・・・」
「そうですね、この扉を開ければ・・・」
待ってくれ。
俺は死んでいない。
ここにちゃんといる・・・。
お前は俺じゃない、偽者だ・・・。
それは俺の身体・・・返してくれ。
「それは無理だな。
俺はあの時に死んだんだから・・・さ」
「どうしたんですか?」
「・・・死んだ人へ、敬意をしめしたんですよ」
俺は殺された。自分自身に・・・。
そして死ぬという事が恐ろしい事だと実感した。 |