「これで誰も死んでいなかったら、誰かがランダムに殺されるんだな。」

 

 

 

ひっそりと声を出した佐伯に天根は頷く。

 

 

 

「そうだな、俺達は誰も殺してない。

 

政府の“いい的”になっちまいそうだな。」

 

 

 

 

黒羽も声を潜めて言った。

 

 

 

 

「正直、俺は此処で死んでもいいと思ってる。

 

だって俺、皆と幸せのままでいたいから・・・。

 

悲しい思いするのは嫌だから。」

 

 

 

 

木更津亮もそう呟いた。

 

 

 

 

「綺麗な満月だな、オジイにも見せてやりたいよ。

 

否、見せたらオジイも被害に遭っちまうな。」

 

 

 

 

黒羽の心配そうな顔に葵も頷く。

 

 

 

 

『今から俺達は誰一人欠けずにいられるのは何時間くらいだろう。』

 

 

 

 

「そうなのね。

 

でもみんなで最後を迎えたかった。」

 

 

 

 

カウントダウンが始める、もう止められない。

 

運命の歯車は誰にも止められない。

 

 

 

 

「第一回目の放送だ、聞き逃す事のないように・・・。」

 

 

 

 

淡々とした喋り口調に緊張が走る。

 

 

 

 

「死亡者は今回はいない。

 

約束通りに1人ランダムに死ぬことに成る。」

 

 

 

 

心臓が潰れそうになる、

 

どうかこの中に被害者が出ません様にと祈る事しかできない。

 

 

 

その時、近くからピピピと爆発警告音が鳴り響いた。

 

そして血に辺りが染まった。

 

 

 

 

「誰だ?」

 

 

 

 

その声は黒羽の物だった。

 

 

 

 

「バネさん、周りが見えないんです。」

 

 

 

 

天根の声も聞えた。

 

誰の声が聞えないのか・・・。

 

 

 

 

「亮・・・・!!」

 

 

 

 

 

戦いは始まったばかりだ。