守るべき者達

 

 

 

 

 

大きな青い空が覗く、ここは楽園でしょうか?

 

空気が澄んでいて、木の臭いがする・・・。

 

鳥の囀る音、木の揺れる音、優しい太陽の光。

 

全ては永遠に続いて来た。

 

人の生まれる前からそれはあった。

 

そんな風に感じるのはもう直ぐ帰れるからでしょうか。

 

殺し合いが終わるからでしょうか?

 

僕は今、赤い手をしています。

 

でもこれは神聖なことです、神様にも認められた行為です。

 

何人もの人を殺しました、本当に神聖でした。

 

今でも銃の音が頭の中で鳴り響いています。

 

銃の音はまるで協会で歌われている賛美歌の様でした。

 

ここは神聖です、神聖でとても美しい、そして天国に一番近い場所。

 

とても綺麗です、でも何で僕の頭から血が流れているのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

「どうしたの、観月。」

 

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声です。

 

僕のことを嫌っている彼の声です。

 

 

 

 

 

 

「君が裕太を殺したんだってね。」

 

 

 

 

 

僕が確かに殺しましたよ、裕太くんを。

 

しかも鎌で顔を何度も刺しました。

 

もう誰かも分からないくらいに何度も刺しました。

 

 

 

 

 

 

「どうして殺したんだい?」

 

 

 

 

 

 

そんなの僕が生きるために決まってるじゃないか。

 

殺し合えと言われ、殺されそうに成ったんだから殺すのは当然だ。

 

そういう君も殺してるではありませんか、たくさんの仲間を。

 

 

 

 

 

 

「何で何で・・・。」

 

 

 

 

 

どうして崩れ落ちるんですか?

 

僕を殺せば君の優勝ですよ。

 

どうして君はそんなにも彼を思うのですか?

 

君の優勝ですよ、君の優勝ですよ・・・・。

 

薄れ行く意識の中で僕は彼の泣き顔を見た。

 

何故、人は人の命を重んじるのでしょうか。

 

憎んでいる人の命ですら・・・。

 

僕は誰の命も重んじませんでした。

 

優勝しなくて正解ですね。

 

あなたが優勝ですよ、不二周助くん。

 

 

 

 

 

 

どうか死んでいった者達が光の国へ逝けます様に・・・。

 

そして皆が迷わない様に・・・・。

 

でも僕はそこへ逝けない・・・。

 

神様にも逢いたくないんだ・・・・・。

 

だって僕は・・・罪でしかないから・・・・。

 

罪の意識も持てないくらいに僕の存在は罪だから・・・・。