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月の下の犯人
君は綺麗だね、そうやって月の下で微笑む姿はまるで蝶の様だよ。
「私が殺したの、みんな。
手塚先輩も菊丸先輩も乾先輩もね。」
うれしそうに微笑む彼女は殺人鬼ではない
彼女は自分の残虐性に気付かないただの蝶なんだ。
「ほら、リョーマくん。
月が綺麗だよ、こんなにも大きく見えるなんて東京じゃ考えられないね。」
君は綺麗な蝶だよ、ただの綺麗な蝶なんだよ。
「くす、ねぇリョーマくん。
私がリョーマくんを殺してあげるよ。」
その細い腕で俺を殺せるの?竜崎。
「そしたらいっぱいの花をリョーマくんに手向けて上げる。
きっと綺麗だよ、リョーマくんの体。」
君は狂ってしまったんだね、きっと。
普段のあのおどおどして親友の後ろに隠れている君からは
想像も出来ないくらいに・・・・。
「白い花を飾ってあげるね、白い花を・・・。
きっと綺麗だと思うの、きっと綺麗だと・・・。」
君の狂っていく姿は何故か美しくってずっとこのままで居たかった。
もう直ぐ、夜が明けるね・・・リョーマくん。
でもね、リョーマくん、私・・・明日に成るのが怖いの。
だってそうしたら皆死んでしまうでしょ?
もう暫くこのままで、俺の腹を刺した月の下の犯人は
綺麗なままで踊り続けてる。
「リョーマくん、朝が来る前に私を殺して・・・。
殺して・・・私・・・誰かに殺されるのは怖いの・・・。
リョーマくんを刺した私なんて簡単に殺せるでしょう・・・。
だから、殺して・・・お願い・・・・・。」
彼女の声で俺は彼女の腹を刺した。
人の心は何よりも弱く出来ている。
竜崎、明日は来ない、明日は来ないみたいだよ。
だって俺達、この月の下で死ぬんだから・・・・。
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