ペナルティ

 

 

 

 

 

「罰則として、お前には二十倍の火薬が詰められた首輪が装着される」

 

 

教室の中で、政府に逆らった俺は首輪を一度外された。

 

その間、他の奴らは何十分と待たされていた。

 

 

「・・・それがどうした?どうせ死ぬんだろ?」

 

 

政府の男の顔が歪んでいた。

 

 

「そうだな」

 

 

憎まれ口を叩くしか、反抗するすべがない。

 

ここで男を殴ろうとも、俺が死のうともかまわない。

 

だが、アイツ等が死ぬのは困る。

 

 

「・・・山吹の生徒も大変ですね。

 

貴方がミスを犯せば、全員が吹き飛ぶ火薬の量です。

 

あなたと同盟を組む者はいらっしゃるんですかね?」

 

 

「いないだろうな。それに俺は元々、テニスが好きな訳じゃない」

 

 

山吹中の奴等は、テニスを馬鹿にしている俺を受け入れてくれた。

 

俺が抵抗すれば、ここで死ねば、アイツ等の負担は減る。

 

だが、ペナルティが俺じゃなく、アイツ等にかかるとしたら?

 

俺は自分を許せるのだろうか?

 

 

「・・・あなたは何もかもの才能に恵まれすぎていたんですよ・・・」

 

 

「誉めてんのか?」

 

 

「誉めていますよ、その馬鹿さ加減にうんざりしますが」

 

 

首輪を付けられると、教室へと戻る様に言われた。

 

廊下を渡ると下に、木が見えた。

 

 

「・・・死んでしまった方が楽・・・。それは人間が持ってる本能に逆らっている。

 

それだけです・・・」

 

 

俺は話し声を無視していた。

 

 

「君は誰かに拒絶されながら、生きるのと、今死ぬのどちらが

 

辛いと思いますか?」

 

 

「俺は・・・」

 

 

「山吹はあなたを向かえ入れてくれるのでしょうか?」

 

 

「俺は一人で戦う。仲間なんて・・・」

 

 

教室に戻ると、何故か山吹だけが、他校の生徒から離れていた。

 

 

「そういう事ですよ、亜久津くん」

 

 

「・・・亜久津・・・・・・」

 

 

「連帯責任です」

 

 

戦う事が怖いなんて、思わなかった。

 

だが、仲間に迷惑が掛かる事が怖いなんてな。

 

俺らしくもない。

 

 

「・・・亜久津、大丈夫。たかが、火薬の量じゃない」

 

 

千石の声がやけに頼もしく聞えた。

 

 

「・・・悪いな」

 

 

「亜久津先輩は悪くないです」

 

 

あんなに遠い存在だと思っていたテニス部の奴が、近くに見えた。

 

それでも、俺はコイツ等の期待に応えなければと思った。

 

全て、俺ができる事をしようと。

 

 

絶望の中で、お前たちがいたから・・・。

 

 

 

「亜久津さん」