目的

 

 

 

政府は【反軍国主義】者を数名、無人島に放した。

 

元々、凶悪な自爆テロ犯として収容されていた少年たちだったが、

 

将来性を見込めない者だけを連れてきていた。

 

 

 

「手塚国光、お前は何故、更生の道を進まなかったのだ?」

 

 

 

「私は、この国に未練はありません。

 

そして、外国への亡命も許されぬのなら、ここで殺された方が名誉です」

 

 

 

「ほう・・・。

 

お前は半端な反逆者ではないのだな・・・」

 

 

 

2008年4月、この国は社会主義国へと制度が変わった。

 

国民の半数以上の反対を押し切り、可決された為、今の治安は世界一最悪

 

な状態になっている。

 

毎日のように、爆発音が鳴り響き、街中が煙とコンクリートの破片だらけに

 

なっている。

 

道という道は崩れ、人影はほとんどない。

 

 

 

「・・・私たちは今から、政府の目的とする最強の兵士となる少年たちの為に、

 

この命とこの技術を・・・渡します」

 

 

 

数人の少年は、両手を挙げて目を閉じた。

 

 

 

「これから強化訓練を始める。

 

跡部景吾、お前は今日から第1回、BR法のリーダーとして

 

無人島に訓練に行ってもらう」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「・・・では、我が軍事学校の名誉の為に・・・頼んだぞ」

 

 

 

無人島では、他の学校の生徒と行動を共にする。

 

その中で、跡部は自分のやるべき事を頭で繰り返していた。

 

 

 

『この中で、放される反逆者を2人以上殺せば、俺は安泰だが、

 

それだけでは、あの人は満足しないだろう』

 

 

 

「・・・手塚・・・」

 

 

 

目の前に、自分の最大のライバルとされた男がいた。

 

 

 

「・・・何故・・・」

 

 

 

「俺は反逆者だ・・・。

 

だからここにいる・・・」

 

 

 

反逆者は上下共に白い服を着用している。

 

 

 

「目的は?

 

目的はなんだ・・・なんで、今更俺の前に現れた?」

 

 

 

「自分の理想の世界を・・・築く為だ・・・。

 

それはお前も同じことだろう・・・」

 

 

 

しばらくの沈黙のあと、二人の前には赤い液体が広がった。

 

 

 

「理想の世界ならば、もうあるだろう・・・」

 

 

 

呟き一つで、反逆者は散った。