同盟 AN ALLIANCE.

 

 

 

同盟を組んだモノがいた。

 

そして彼らはその同盟が長く続かない事を心のどこかで気付いていた。

 

 

「・・・手塚、何で僕たちは此処に存在しているんだろうね。

 

まるで殺し合いなんてしてないみたいに静かで・・・。」

 

 

「不二、此処から2キロ先の地点に越前の遺体があった。

 

ボウガンで胸を刺されていた・・・。

 

そして木に貼り付けられていた。

 

まるで死のゲームを楽しんでいる奴がいる様だ。」

 

 

 

「手塚・・・。

 

彼は殺されたんだよ、その死のゲームを楽しんでいる男に。」

 

 

 

 

「何故、男と分かるんだ?」

 

 

 

「竜崎さんの武器はボウガンじゃないし、橘の妹も違った。

 

その2人以外に参加している女子は居ないからね。」

 

 

 

その同盟はたった2人で組まれたものだった。

 

そして彼らは地道に仲間を殺していた。

 

 

 

「・・・手塚、もし僕たち2人が生き残ったら、僕を殺してもいいよ。

 

僕は此処で君と戦えただけで満足だからさ・・・。」

 

 

 

不二周助、彼は何を見詰めていたのだろうか?

 

手塚国光、彼は何故、戦う事を選んだのか?

 

 

 

「越前を殺したのに平然として俺に嘘を吐けるお前だ。

 

今の発言も嘘かもしれないがな・・・。」

 

 

 

「越前を殺したのは僕じゃないよ。

 

貼り付けたのは僕だけどね・・・・。」

 

 

 

「・・・」

 

 

 

 

「手塚、黙らないでよ。

 

その近くにはもう人は来ないと思うよ。

 

あの遺体に近付けるのなんて、僕と君くらいだよ。」

 

 

「・・・殺し合いを望んでいるのは誰なのだろう・・・。

 

それはお前でも俺でもない、誰なのだろうか・・・。」

 

 

 

同盟は後3日で終わる、それを知っていても不二は手塚の側にいた。

 

 

 

「・・・カモフラージュできないことってなんだろうね。

 

自分の気持ちかな?

 

それとも他人の気持ちなのかな?」

 

 

 

「不二、夜が明けたらお前はどうする?

 

残りの数はあと少数だ・・・。

 

自分から出ないと殺せる確率は低い。」

 

 

 

「僕は此処に残るよ。

 

手塚が死ななかったら戻ってきてよ。

 

僕はここで死刑台が出来上がるのを待ってるから。」

 

 

 

同盟は終わる。

 

 

 

手塚国光が残りの三人を殺せば、残りは不二周助だけになる。

 

 

そして同盟は終わる。

 

 

 

 

「何故、僕は彼を生かしたいのだろうか・・・。

 

弟までも残酷に殺したあの男を生かしたいのだろうか。

 

もしかしたら、僕も彼に殺されてしまうかもしれないのに。

 

否、僕は彼に殺されることを望んでいる。」

 

 

 

 

望んでいるのだ、不二周助は自分よりも強い相手に殺されることを。

 

 

 

 

同盟が終わる。

 

手塚国光の放った最後の銃声で。

 

 

 

「手塚・・・綺麗な赤だね・・・。」

 

 

「・・・・綺麗で・・・前が・・・見えないよ・・・。」