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死合開始
「試合開始時刻になりました。
選手のみなさんは速やかにテニスコートまでお集まり下さい。」
あの時はよかった、だって試合開始する事が楽しくって仕方なかったからな。
「死合開始時刻だ。」
低い男の声、よく知っている声だ。
「今日は、いい天候だ。
殺し合い日和に尽きるね、諸君。」
試合って楽しいものじゃなかったのか?
それとも俺が間違っているのか・・・。
せっかく全国に進めると喜んでいたのに、そんな仕打ちですか、先生。
全国の開催地が少し離れた場所になると聞いていたが、まさか
こんな目に合わされるなんて・・・・。
榊先生がチラシを配り始めた。 後ろに回す様に促すとその文面を読み出した。
「第52回、バトルロワイヤル。
日本憲法で決められたBR法に従い、今から行う事を此処に承認する。
今回の生徒達はテニス選手としてとても優れた人材を発掘している
学校から選らび抜いたレギュラー陣。」
レギュラー・・・俺はレギュラーに成れなかった。
最後の最後まで・・・。
「何故、今回テニス選手候補から生徒を選んだかというと、
ここ数年、プロテニスプレイヤーは日本から発掘されていないからだ。」
テニスでプロになるなんて考えた事もなかった。
でも確かにプロテニスプレイヤーは・・・出ていない。
「・・・しあいかいし・・・・。」
俺は手に持っていた紙に目を移した。
「死合開始・・・・。」
何て誤字だとおもった。
「どうした日吉・・・。」
殺し合い開始って書いてくれた方が諦めも付いたかもしれない。
でも死合開始なんて、死に合うみたいに感じる。
「いえ、少し誤字を見つけてしまったみたいで・・・。」
榊は口だけで笑い言う。
「この字は毎回の事だ。
これは君たちに送る最高の言葉であり、最高の刺だ。」
最高の刺は俺の心には影響はないみたいだ。
「日吉、お前にこれをやろう。
これは首輪に仕込んである爆弾のスイッチだ。」
四角い箱の様な物を榊は日吉に渡した。 「お前が死合を開始しろ。」 このボタンを押すと誰かの首が飛ぶのだろう。
きっと飛んで死んでしまうのだろう。
「日吉・・・・。」
誰の声も聞えなかった、ただ人を殺せといわれている事が
何よりも大きく聞えていたから。 |