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反逆の遺伝子
~The Prince of Tennis in Battle Royale~
BATTLE.60 邪悪な心と遺伝子
LINE OVER.
【君を逃がしてあげる】 それは甘い誘惑の言葉だった。 だけど、それは悪魔の誘いだったのだ。 僕は全てをその言葉に掛けていたのだ・・・。 そう・・・全てをその言葉に掛けていたのだ・・・。 外に出れば、僕は自由を手に入れることができるのだと思っていた。 でもそれは不幸の始まりだった・・・。 いや、この実験自体が僕の不幸の始まりだったのかもしれない。 何故、博士は僕を選らばなかったのだろう・・・。 生まれながらに違う遺伝子の所為なのだろうか? 何故・・・僕を・・・選んでくれなかったんだろうか・・・。 オリジナルの僕にはない・・・遺伝子を・・・。 邪悪な遺伝子を持ったクローンに僕は毒されているんだ・・・。 僕にはない・・・細胞・・・情報・・・環境・・・全て・・・。 前に、テニスの試合で負けた裕太が公園に佇んでいたんだ。 まだ6歳だった僕と、5歳の裕太・・・。 今考えれば、あの世界に来て始めてしたテニスだったのかもしれない。 外とは少し違う・・・身体が軽くて楽しくテニスができていた・・・。 何かが・・・違った・・・。 そして、戦争・・・それぞれの境遇・・・いつからか、変わり始めていた。 何故・・・僕は全てを知りたいと思ってしまったのか・・・。 知らない世界で幸せに・・・無知といわれてもいいから、 幸せに暮らしていればよかったのに・・・。 自分の思いが何もかも・・・誰にも届かずに・・・ここで死ぬのかと思うと、 何故か、虚しさがこみ上げてきた。 僕は誰かの代わりとして生まれてきたのではないはずなのにね・・・。 ★★★ 「大丈夫・・・君の声は僕がしっかり・・・。 声じゃないね・・・君の脳波の信号は・・・しっかり見ているよ」 不二周助は只の一度も自分と同じ顔の男を自分と重ねあわせることはなかった。 あまりにも違いすぎる片割れに、他人以外の感情なんて 持ち合わせてはないなかった。 不二周助にとってみれば、只のモルモットだった。
「・・・僕の為に・・・いや、本来ならば僕が君の為に外で活動するはずなんだ。 他の皆と違うんじゃなくって、これが正しい研究なんだから・・・」 不二は声を上げて笑った。 まるで、自分の存在価値をここで認められたかのように。 「・・・全ては計画の中で狂っていたんだ。 僕の計算は間違ってはいなかった・・・。 君が僕を殺す事、この世から本物意外がいなくなる事も・・・。 研究段階で、僕には他に出来る事はなかった。 元の世界の方が幸せだろう?」 ★★★ 「悪魔の薬は、すべてを狂わせる、いわば麻薬みたいな物なんだ。 君たちの世界が変わってしまったのは、あの薬の所為。 実験は失敗、だから君たちは外へと連れ出された。 そして消失行為により、君たちはまた、あの世界と同じ世界へと連れ戻される」
千石清純は微笑みながら言った。 「薬を服用してしまった君たちの身体の所為で、また・・・あの世界は狂ってしまう。 それを不二くんは知らない。 君たちの為に、幸せな世界を作ろうとしているから、 ちょっと邪魔したくなったんだ。 偽者なんて、あの世界にも、もちろんこの世界にも要らないんだから・・・。 これを知られたら、僕は不二くんに殺されちゃうかもしれない・・・」