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反逆の遺伝子
~The Prince of Tennis in Battle Royale~
BATTLE.51 機密事項 X-FILE.
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19XX年2月29日、
不二周助は産声を上げた。 不二周助の両親と姉はそれを喜んだ。
そして、それに遅れて4ヶ月後、不二周助のクローンである人間が生まれた。
その子は不二周助と同じ遺伝子を持つ、クローンとして生を受けたが、
彼は突然変異を起こした遺伝子が発見された。
それは、博士の予想を陵駕していた。
その遺伝子には、博士が以前から研究を進めていた擬似地球の
研究を大幅に進めることになった。
クローンの不二周助の血液や体液には、未知のウイルスが含まれていた。
それは、オリジナルには存在しないために、博士はオリジナルとクローンの
入れ替えを親族に分からないように行なった。
それは他の被験者にも行なわれた。
その一人が小坂田朋香である。 彼女の遺伝子には、なんの問題もなかったが、
博士は、実験の為に、彼女はすり替えたのだ。
その所為で、後に不二周助が擬似地球の中で、違和感を覚えながら
生活する事になるとは、博士にも分からなかったのだろう・・・。
擬似地球とは、人間をポットに閉じ込めて生存を続けさせる方法の
進化系ともいえる。
それは博士の【ある実験】が目的に作られている。
そのポットの中で人が生き延びられれば、
体の弱い人間も、家族と同じ記憶を持ち、同じ様に生活できるからだ。
そして、リアル世界の家族は遺伝子療法で治療したクローンと暮らし、
その情報をオリジナルとクローンの間で、通信し同じ人間として
暮らして行けるのだ。
博士の実験は素晴らしいものと言える。
今の遺伝子治療では、患者自身の身体のままで長く生きる事はできない。
擬似地球の研究が進めば、どんな患者も幸せに暮らせるだろう。 不二周助の遺伝子に含まれたウイルスは、擬似地球をより完全で
安全なものにしてくれるだろう。
それまで、彼らは大切に地球の中で育てられる。
この実験は完璧だ。
博士に逆らう者はいないだろう・・・。
ただ・・・私はオリジナルの不二周助の遺伝子が心配だ。
彼は何故、突然変異を起こさなかったのかは、クローンが特殊だと
考えれば不自然ではないが、彼の遺伝子には何かがある・・・。
そんな気がしている。
まだ5歳の彼をこんな場所に閉じ込めるのは気が引けるが、
全ては完全なる研究の為だ・・・。
★★★
『・・・僕は嫌いだ・・・。
こんな世界が嫌いなんだ・・・。
全てが嘘の様に感じる・・・ここは偽物の世界なんだ・・・。
この記憶は僕の物じゃない・・・』
何度も再生される擬似の地球のメモリーに不二は頭を抱えていた。
自分の発言とはいえ、あの世界で、自分はあまりにも無力だった。
「・・・不二周助はオリジナルよりすごいクローンに乗っ取られた・・・。
これが事実なら・・・僕は計画を進めるしかないのかな・・・。
それには・・・殺してしまったクローンから、遺伝子のサンプルが必要だな・・・」
破損した扉から、死臭のする通路にでた。
「ねぇ、それって僕のこと?」
「・・・なんで・・・・・・」
「キミがオリジナルだからさ・・・。
だって・・・僕のファイルを読んだんだろ?
見事だったよ・・・キミの記憶は・・・。
クローンの彼の遺伝子にも勝るものがあった・・・」
不二は観たことのない研究員らしき男を擬しした。
「キミはオリジナルだから、安心してほしい・・・。
でもね・・・キミに殺されたクローンが何か企んでるみたいだよ・・・。
彼の遺伝子で、あの地球は完全なものになるからさ・・・」
「死んだ人間に何ができるんだ?」
「彼は死んでいない・・・。
キミは何も分かっていない・・・。
彼は博士をも殺した凶悪な遺伝子の持ち主なんだよ・・・。
キミもオリジナルを全員、地球に入れようとしていたよね?
それと同じことを彼も考えているんだ・・・。
彼も・・・ね・・・。
最後に勝つのは誰か・・・」
研究員は自分の顔を抑えて、倒れこんだ。
「罪深い男だ・・・不二周助・・・。
キミの遺伝子がなければ、外と中の者たちが交じり合うことはなかった・・・。
博士亡き今、あの遺伝子を止められる人間はキミだけだ・・・。
研究で生み出された、最悪の反逆の遺伝子にね・・・」
「喋りすぎ・・・だよね・・・」
研究員の奥には、殺気立った不二周助が立っていた。
「・・・僕が本当の不二周助なのか?」
「そんなこと・・・関係ない・・・。
優れた者のみがオリジナルと認められる・・・。
僕は博士の後をついで、その研究を続け・・・正しい道に進む」
「・・・キミには・・・あの世界に戻ってもらう・・・。
僕たちは遺伝子が合わないから・・・キミはまたあの中で苦しむことに
なるだろうけどさ・・・」
不二は声を押し殺した。
「ねぇ、オリジナルなのに、認められなかった気分はどう?
今まで、全てに優れてきた僕と同じ記憶を持ちながら、自分に
負けるって気分は?」
不気味に笑う自分に、不二は言った。
「・・・構わないよ・・・僕は・・・。
この計画が進めば、僕かキミが苦しむことは確定するんだ・・・。
だから、キミを殺したのに・・・。
キミが全ての始まりで、全ての終わりなんだからさ」 |