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反逆の遺伝子
~The Prince of Tennis in Battle Royale~
BATTLE.45 手紙 LAST LETTER.
“この手紙は、僕にもしもの事があった時に届くことになっています。 決してクローンである、彼らには見つからないように、宛先は観月の実家 にしました。観月宛てに届いた手紙なら、確実にオリジナルである観月が手にするこ とになると踏んでいたからです。 用件は、僕が死んだ後での【彼】についてです。 彼は暴走を始めてしまったみたいです。 僕たちの世界では、異常な事態が起こっていて、それを食い止める事が できていない・・・今も消えていく仲間がいるはずです。 その中で、唯一消えていないのは竜崎だけ・・・それを知っていたクローンの 僕は、僕を消すつもりなのでしょう。 そうすれば、自分が消えることはないんですから・・・” 黙々と手紙に目を通す男がいた。 それは不二周助、その人だった。 “観月、君にしか頼めない。 もしものことがあったら、研究所に彼らを戻すこと・・・。 それしか、解決の道はない。 これ以上の被害者に増える前に・・・彼らを元の世界に戻して欲しい・・・。 僕がしてしまったことは全て、間違っていたのかも知れない・・・。 追申、僕の部屋には薬がある。 それを使って、研究所の擬似地球を作動させてほしい。 そうすれば、一人ずつでも確実に元の世界に返してしまえる” 手紙を握り潰すと、机の引き出しに入っていた薬品の瓶を取り出した。 聞いた事のない名前の薬は以前、政府から不二周助が盗み出していたものだった。 「不二・・・周助・・・。 僕はやっと不二周助になれたんだ・・・。 オリジナルが死んだ事は家族とクローンの観月しかしらない。 このまま行けば、僕は本物になれるのかも知れないね・・・」 引き出しに鍵を掛けると、警察には偽の薬を手渡した。 不二の家には、警察が取り調べに来ていたからだ。 不二の持っていた薬物は、政府が認可していない睡眠薬と判断した。 「彼は精神的に追い込まれていたみたいです・・・。 僕たちを助け出した為に、自分達の仲間まで失ってしまった事に責任を 感じて、不眠症になって・・・」 「不眠症になったのは、いつ頃からですか?」 無機質っぽい喋り方をする警察官に不二は淡々を嘘の証言をした。 「薬を購入し始めたのは、仲間の1人が消えた時からですかね。 政府の人はそれを他の誰かに伝える事を妙に嫌がってましたが、 貴方はソレに関わった人間とみているのですが・・・」 「えぇ、事実を私に教えてください。 博士についてきた人間としては、サンプルの今後が心配ですから」 「不二周助は貴方のいたクローン開発プロジェクトから、大量の薬品を手に 入れていた。そこに進入するたびに少しずつ・・・。 それは擬似地球を変化させるために使う薬品と、無認可の睡眠薬だった。 僕たちを救出するためには、それが嫌でも必要だった。 そして、実行のために博士と慕っていた人を殺し、僕たちを救出した・・・。 しかし、博士の死と研究員数人の死・・・それが彼を追い詰めていたんでしょうね」 警察官は顔を歪めて言う。 「君はそんなことまで分かっているのか・・・」 「僕と彼は特別なんですよ。 他のクローンにはない、別の記憶を司っている。 僕が信号を発しなかったら、彼らは僕をここに連れて来なかったはずです・・・」 不二はそう言い残すと、部屋へと戻っていった。