反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

BATTLE.40 事実

DO YOU KILL ME?

 

 

やっと分かった。

 

私はこっちの世界で育つはずの人間だって。

 

だって、あの記憶は何?

 

私は弟たちと“あの子”とさよならするはずだったのよ。

 

 

 

 

「朋ちゃん、今日ね。

 

私の片割れが消えてしまったの。

 

私はもう、消滅することはないって言われたの、不二先輩に。

 

でもね、私の片割れは・・・どこかに・・・。

 

多分、菊丸先輩や、柳さんと一緒だと思うの。」

 

 

 

 

桜乃、私もアンタと同じ様に、消滅せずに済むかも知れない。

 

だって、私とあの子は同じ人間じゃないもの。

 

こっちの世界の私は向こうの世界で育つはずだったのに

 

私が犠牲になったの、だから私は消滅なんてしないわ。

 

 

 

 

「桜乃、私・・・もう平気だよ。

 

皆とも仲良くやってるし、それよりも桜乃。

 

アンタの方は大丈夫なの?

 

家の人に何か言われたりしてない?」

 

 

 

「・・・実は少しだけ、帰りにくいんだ。

 

だって、私が一緒にいなければあの子は・・・。」

 

 

 

「桜乃、大丈夫だよ。

 

桜乃はどこにいても桜乃だし。

 

私もどこにいても私だから。」

 

 

 

 

桜乃、アンタも辛そうだけど、私にはやらないといけないことがあるの。

 

アンタの片割れがリョーマ様と付き合って所為で消えたなら、

 

私の片割れは、きっと・・・。

 

 

 

 

「朋ちゃん、実は私・・・。

 

不二先輩に用意してもらったホテルに泊まっているの。

 

家の人の悲しむ姿なんて見たくないし、私は厄介者以外の何者でもないんだよ。

 

もう、家には帰れない。」

 

 

 

「・・・桜乃も大変だね。

 

私も桜乃と同じホテルに泊まろうかな。

 

だって親友を一人にはできないもの。」

 

 

 

 

ねぇ、桜乃。

 

アンタは気付いていないかも知れないけど、

 

私たちは疎まれないといけない存在なんだよ。

 

だって、消えてしまった先輩や、アンタは帰ってこないし。

 

その原因を作ったのは私たちなんだから。

 

 

 

 

「桜乃、生き残る為には犠牲は付き物なんだから。」

 

 

「私、生きたいなんて思わなかった。

 

私が変わりに死ねばよかった、私が外に出なければよかった。」

 

 

「桜乃。」

 

 

「私、こっちで幸せに育ったのに・・・何で・・・こんなに不幸なの?」

 

 

 

 

桜乃?

 

消えたのは、あっちの世界の桜乃なの?

 

じゃあ何で、私と話をしているの?

 

 

 

 

「朋ちゃん、私・・・。

 

朋ちゃんはこっちの世界の人だって気付いていたの。

 

初めて朋ちゃんと話しをした時から、ずっと・・・。」

 

 

 

「待って、桜乃。

 

じゃあ私が今まで話してたのも、アンタなの?」

 

 

 

「そうだよ、ずっと朋ちゃんと話してた。

 

あの子が学校に行ってる間に何度も会い来た。」

 

 

 

桜乃は最後に私にこう呟いた。

 

 

 

「つかれた・・・。

 

私が私でいられなくなったの、あの子が来てから。

 

まるで自分が偽物なんじゃないかって感じてた。

 

だから、私はあの子がリョーマくんと一緒にいても何も思わなかった。

 

だって、消えてしまう気がしてたんだもん。

 

最低って言われたって、私は構わなかった・・・・。

 

全部奪ったんだから、死なんて安いじゃない。」

 

 

 

その後の会話は誰にも知られていない。

 

桜乃は桜乃なりに答えを見つけた様だった。