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反逆の遺伝子
~The Prince of Tennis in Battle Royale~
BATTLE.39 消滅した人
I LOVE ME, ARE YOU THINK SO?
「柳蓮ニだ、お前は誰だ?」 柳は自分の見たことのない場所に来ていた。 そこは時間がゆっくりと過ぎていっているかの様な空気を感じる。 歪んだ扉や、歪んだ窓が柳を酔わせているのかも知れないが そこは確かに、何かが可笑しかった。 「・・・柳・・・」 「菊丸か・・・」 2人は歪んだガラス扉の前で出会った。 菊丸も柳も手をガラス越しに触れてみたが、 向こう側には行けそうにもなかった。 「ねぇ、何で柳はこんな所に来たの? 俺、知らないうちに地面に吸い込まれてここに来たんだ。 不二と話ししていた時に・・・突然・・・。」 「そうか、俺は家にいる時に突然、ここに来た。 家で学校に行く準備をしてた時だったから、制服のままだ。」 菊丸は疑問を柳にぶつけた。 「柳は、こっちの世界の人間なの? それとも俺と同じ、あっちの世界の人間?」 「俺はこっちの世界の人間だ。 何故、俺たちが消えたんだ?」 「じゃあ、こっちの世界の俺と、向こうの世界の柳は 生きているのかな、生きていたら・・・」 菊丸が柳に背を向けて座ると目の前には見たことのある顔が見えた。 それは背を向けている柳で、それを見つめている自分と同じ顔も見えた。 「彼らも、ここに来ていた様だな。」 「・・・柳、俺たち・・・どうなっちゃうの?」 「それは、俺たちでここから抜け出ることを考えれば、 出られるかも知れないな・・・。」 希望を見出した柳は自分の顔を見つめた。 相手もそれを考えていたのだろう、にっこりと微笑んだ。 そして柳は勢い良く、ガラスを叩き割った。 菊丸はその音に反応して、飛び上がった。 「悪いな、菊丸。 最初に言うべきだった、“割る”とな・・・。 しかし、こんなにガラスがあるとなると、向こうに辿りつくまでには そうとう時間が掛かるな。 しかも、道具は自分の拳以外にはない。」 「柳、手が真っ赤だよ。 無理はしない方が良いって。 また、不二たちが助けに来てくれるよ・・・。」 怯えた顔をした菊丸は床を這いずって柳から少し放れた。 柳はそれを気にしないのか、淡々と次のガラスに手を掛けた。 「俺も、あっちの菊丸もがんばってる。 お前が死にたくないのなら、一緒に助かる方法を考えるしかないだろう。 たとえ、助かる道がないにしても、俺たちは生きるんだ。」 「・・・俺も生きたいよ。 でも、こんな所から出られる訳ないじゃん。」 俯いたまま、菊丸は動かなくなった。 それでも柳は自分の拳を赤く染めていった。 「俺は自分の世界で、自分に逢えた事が何よりもうれしかった。 片割れとは、いつもどこかで一緒だと感じていた。 それが原因なら、俺はそれを解決する。 誰にも邪魔されない、幸せに暮らせる世界を作る。」 血が飛び散るとやっと、あと一枚でお互いに出逢える所まで来た。 「・・・蓮ニ、俺は間違っていないな。 お前は間違っていない、それは確信している。」 最後のガラスが飛び散ると柳と柳はお互いのことを称えた。 「ここから出られたら、俺たちは“あの人”を消し去る事になる。 あの人はまだ、死んでいない・・・。」 「それでも、俺たちは戦う。 やっと出逢えたんだ、別れる訳にはいかない。」