反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

BATTLE.38 十四年間の空白

GREED EYES.

 

 

 

 

 

「僕たちは間違った事をしているのかも、知れないね。

 

だって、僕たちは何も悪い事してないのに、

 

わざわざ、彼らを引きずり出すなんて・・・。」

 

 

 

画面の向 こうには手塚と跡部、千石が映し出されていた。

 

操縦室には何台もの液晶画面が並んでいる。

 

その中で写しだされている不二周助の画面を不二は覗き込んだ。

 

自分の姿を見ている気分だったが、確かに彼は自分とは違うと感じていた。

 

 

 

「君は裕太を守ってくれているのかな・・・。」

 

 

 

画面の左に置いてあるパネルを操作した。

 

記憶を弄るために使われる操作パネルだ。

 

 

 

 

「生きていくのには辛いことが多いかもしれない。

 

でも僕は掛けたいんだ、一つの賭けに掛けたい。」

 

 

 

 

不二が操作していたパネルから手を退かすと

 

操縦室の向こうにある地球から大きな音が響き渡った。

 

記憶が操作されていると同時に中にいる世界が異常をきたしているのだろう。

 

プロトタイプの地球では記憶を弄ることで異常が生じてきていたのだ。

 

あるはずのない戦争に、西暦のずれ。

 

何もかもが上手くいく訳ではないとは知っていたが

 

博士の目的を知ってしまった不二には止めることができなかった。

 

計画を壊し、全てを終わらせるために、不二は博士を殴った。

 

致命傷になる怪我ではなかったが、今の不二にはそれだけでも

 

相当なストレスになっている。

 

自分が犯罪者になってしまうという事は14歳の少年にとっては

 

とてつもない恐怖だろう。

 

 

 

「兄貴・・・。」

 

 

 

「裕太、来てたの?

 

僕は今から、やることがあるんだ・・・。」

 

 

 

「無理すんなよ。」

 

 

 

 

不二は家の前で見つけた裕太に話しかけた。

 

それが本当の弟ではないと知っていて。

 

 

 

 

「・・・それで何故、こんな所に来たんだい?

 

裕太が伝えたいことはこんな話しじゃないだろう?」

 

 

 

「そうだな、兄貴には分かってたんだ。」

 

 

 

「・・・僕は君たちのことを知っている。

 

そこで僕を見ていることも、僕たちを監視していることも。」

 

 

 

 

「じゃあ、話は早いよ。

 

今日、兵役を受けることになっているだろう?

 

そこで僕たちは計画を実行する。

 

君たちを助けるために、君たちを死なせないために。」

 

 

 

 

「僕はどんな計画でも着いて行くよ。

 

君がどんなに汚い人間でもね。」

 

 

 

 

不二は画面から見えている映像を手で塞いだ。

 

これが現実なんだと思いながらも自分がしたことに途惑った。

 

少なくともデータが映し出された画面には、不二は外の世界に嫌悪感を

 

覚えるほど、憎んでいるという結果が出ているのだから。

 

 

 

 

「ねぇ手塚・・・。

 

僕たちは間違っていないよね?」

 

 

 

 

返事が返ってこないことを知っていたが不二は

 

三人が映し出された画面を触れて呟いた。

 

 

 

 

「・・・生きたいって思う事がこんなに苦痛だなんてね。

 

僕は思わなかったよ。」

 

 

 

 

自分の感情かも分からない言葉が口から出てきた。

 

まるで彼と自分が同じ人間であるかの様な同調を感じていた。