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反逆の遺伝子
~The Prince of Tennis in Battle Royale~
BATTLE.34 動き出した歯車
DON’T STOP it.
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この世界には彼らの知らない物語がある。
戦争で死んでしまった人々も元からいない。
向こうの世界では自分の国に誇りを持てと言われる。
この世界ではそんなことは言われない。
あの世界には何もかもが幸せとは言えない世界になっている。
平成5年、12月15日。
一方的な戦争が始まった。
日本は近隣国と同じ様に被害にあった。
相手はどの国か定かではないが
国連が関係していることは確かだった。
「国光、早く逃げて。
ここから先は母さんの身体じゃ通れないわ。」
火に囲まれた瓦礫を潜っていた手塚国光の母親がそう告げた。
コンクリートの塊の下には無数のガラスの破片が散らかっている。
どこかで靴を落としてしまった国光は
真っ赤に染まった足で立ち止まった。
「かあさん、ダメです。
いっしょに・・・。」
手塚が母親に手を伸ばすと母は笑って言う。
「逃げなさい、ここから早く。
貴方は生きなければいけないの。
きっとお父さんも貴方を探しているわ。」
母親がそう言い終ると突然、瓦礫が母親と手塚の間で崩れ落ちた。
「かあさん・・・。」
ボロボロのシャツの上には煤が舞い落ちてきた。
この場所ももう直ぐ火の海になることは5歳の手塚
にも安易に予想できた。
母親を目の前で失いながらも手塚は一歩一歩と前に進んだ。
「もうすぐでぐちにつながってるはずだ。」
子供の足で4時間は歩いた。
やっとの思いで焦げた臭いのする瓦礫の山から手塚は出られた。
周りを見渡すと数人の子供たちがその場に立ち尽くしていた。
「・・・きみたちは・・・どうしてここにいるの?」
返事のない子供たちに手塚は首を捻った。
ただ子供たちは呆然と空を仰ぐだけで
空から降る火の粉を避けようともしなかった。
「ぼくはすてられてしまったのかな。」
手塚が隣を見ると不二周助の姿があった。
「ぼくたちはどうしてうまれたのだろうね。」
手塚は火の粉を仰ぐ子供たちに見覚えがあった。
初めて会ったはずの不二周助にさえ、見覚えがあった。
「きみたちはどこからにげてきたの?」
「とつぜん、かわったんだ。
まわりのけしきとか、そらのいろとか。」
「それはせんそうだから、しかたがないよ。」
「ちがう、せんそうではないんだ。
いきなりけしきがかわってしまったんだ。
まるでテレビのがめんがわかるみたいに。」
手塚は不二を見つめていた。
彼が何を言っているのか理解できなかったのだ。
「ぼくたちはじっけんだいにされて、
いつかころされてしまう。
だってぼくたちはきめられたうんめいをいきる
ただのモルモットなんだから。」
その数ヶ月後、手塚国光は施設に保護されていた。
他の子供たちも同様にこの施設に預けられた。
その施設は日本列島ではなく、
無人の島に作られた臨時の施設だった。
そして6歳までをその施設で過ごした。
「手塚国光くん、君のお父さんが見つかったよ。
よかったね、これからはお父さんと暮らしていけるよ。」
「ありがとうございます。」
その頃にはすっかり戦争は終わっていた。
たったの1年足らずで終戦したのだ。
しかし日本は土地の殆どを失い、この臨時の島に
3分の1しか残らなかった国民を住まわしている。
もちろん手塚の父親もこの島で仕事をしていた。
この島の発展は見事なもので日本本土とほぼ変わらない状態だった。
「国光、お爺ちゃんもお前の帰りを待っているぞ。」
手塚の父親は妻を亡くしたにも関わらず落ち込むこともしなかった。
そのことを手塚は父親に聞こうと思ったが、
そんなことをしたら逆に父親も辛いだろうと
自分の心の奥にしまいこんだ。
平成13年4月2日、BR法成立 ばとる・ろわいある・ほう【Battle Royale法】
本国に登録されている15歳以下の国民を対象にした兵役を
義務付ける法律。
日本が敗戦した原因は軍隊の不在によるものという
国民の意見から政府が考案したもの。
そして愛国心を持たせるために義務付けられたと仮定されている。
その兵役は5日間の軍事訓練がなされる。
その訓練は銃の取り扱いから応急手当の仕方まで様々だ。
行われるのは夏休み、および冬休みの間である。 |