反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

BATTLE.30 青い鳥症候群

Don’t cry

 

 

 

 

 

こっちの世界に来てから、僕たちの生活は順調だった。

 

数人の仲間が消えたこと意外は。

 

 

「不二くんはこっちの皆さんと仲が良いようですね。」

 

 

僕の疑いは不二くんに向けられた。

 

何故、僕たちはこんな世界に産まれたのか。

 

それすら分からない状況だったけど、僕に出来ることは

 

情報を集めることしかなかった。

 

 

数日前、あの世界から出てきた僕たちは会議を開いた。

 

手塚くんが淡々とホワイトボードに書いていった文字の中には

 

不二くんがこの世界を知ったことについては書かれていなかった。

 

 

「観月か、どうしたんだい?

 

君は僕とはあまり話しをしたくはないんじゃない?」

 

 

「いえ、少し伺いたいことがありまして。」

 

 

もしも不二くんが昔からこの世界と繋がっていたとしたら

 

僕たちの招待も分かるかも知れない。

 

何故、僕たちを外に連れ出したのか、

 

それだけでも聞ければ・・・。

 

 

「不二くんは僕たちを守るために

 

外の世界に連れ出したんですよね。

 

あのまま、プログラムが行われていれば

 

僕たちの命はありませんでしたから。」

 

 

「そうだね、観月。

 

でも僕は少しだけ後悔しているんだ。

 

あの時は必死だった、殺されないために。

 

でもやっとの思いで救い出したのに

 

英二は僕の目の前で消えてしまった。

 

僕たちには安住の地は無いのかと思ったよ。」

 

 

不二くんは不二くんなりに悩んでいるみたいだけど

 

僕にはそんなことを考えている暇はない。

 

1日も早く、あの副作用と呼ばれるモノを消したかった。

 

 

「観月、君は何か感付いているみたいだね。

 

君なら平気だと思うけど、全てを知ってもね。

 

もしも君が望むのなら、今僕が知っている事全てを話してあげる。

 

でもそれを知ったら後戻りは出来ないよ。

 

それに他の仲間に嘘を吐き続けることになる・・・。」

 

 

僕は知りたかった。

 

 

「僕は他人を騙すのは得意なんですよ。

 

不二くんは知っているはずですよ。」

 

 

「僕に着いて来てくれるんだね、観月。

 

どんなに辛くても・・・・。」

 

 

「もちろんですよ、僕は全てを知りたいんです。」

 

 

不二くんは僕を自宅に招いてくれた。

 

どうやら不二くんは弟の裕太くん部屋で生活している様だ。

 

 

「ここ裕太の部屋なんだけど、裕太は2人とも寮生活だから

 

使わせて貰っているんだ。

 

僕の部屋はもちろん彼が使っているんだけれどね。」

 

 

「不二くんは全てを知って、僕たちを助けたんですか?」

 

 

「もちろんだよ、僕もそれが正しいと思ってた。

 

でもこっちに来てから僕には防げないことばかりなんだ。

 

外に出れば幸せになれると思っていたのに・・・・。

 

僕は2人も犠牲を出したんだ。

 

それに小坂田さんと跡部はあんな状態になっちゃってるし。

 

僕の選択が間違っていたのかもしれない。

 

ただ僕は幸せにしたかっただけなのに。」

 

 

不二くんは俯いたまま話を始めた。

 

 

「僕はあそこでは一人ぼっちだった。

 

気付いてしまった者の宿命だったのかも知れない。

 

もしも僕が気付かなかったら皆をこんな辛い目には合わせずに済ん

 

だんだ。

 

あのまま死んでしまっていたらよかったのかも知れない。」

 

 

「不二くん、君は僕たちを救うために1人で戦ったんです。

 

それを悔いることなんてないんですよ。

 

それに仲間で殺し合いをしなければならないことは

 

今の状況よりも辛かったはずです。」

 

 

不二くんの孤独も何もかも僕は知ってしまった。

 

もう後戻りはできない。

 

でも今はまだ仲間と一緒にいたいんだ。

 

幸せを追いかけて来た世界で悲惨な現実が待ち受けているなんて

 

誰にも想像なんて出来なかった。