反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

BATTLE.28 疑問 

Teach me ALL.

 

 

9月23日、こっちの世界に彼らが来てから約20日が過ぎた。

 

厳密に言えば彼らが来た日は8月31日。

 

向こうの世界はこっちの世界とは少し様子が違ったらしい。

 

跡部の学校の違い、手塚の母親の生死、不二の記憶。

 

この事から何処かでズレが生じていることは明らかだった。

 

 

「・・・結局、全員は入れるのは跡部の家だけか・・・。」

 

 

宍戸の言葉に全員が頷いた。

 

こっちに来た時には何も話そうとしなかった跡部も

 

この場には居合わせた。

 

跡部の家の一室は会議場の様になっていた。

 

 

 「全員、集まったな・・・・。」

 

 こっちの世界の跡部がそう呟いた。

 

 「・・・否、英二と柳がいなくなってしまった。」

 

 

 

大石は顔を伏せて言った。

 

 

 

「・・・・そうだったな。

 

この世界に来た時はこんな副作用が出るとは思っても見なかった。

 

そしてズレが生じていることも気付かなかった。」

 

 

 

「少し明るい話もしましょうよ。

 

久しぶりに全員揃ったんだからさ。」

 

 

 

越前リョーマがぶっきら棒な言い方をした。

 

 

 

「そうだな、越前の言うとおりだ。

 

俺も色々と話したいことがある。」

 

 

 

手塚は自分の鞄から紙を一枚取り出した。

 

 

 

「これを今から、このホワイトボードに書き写す。

 

俺の知っているかぎりの事だ。」

 

 

 

手塚は黒いペンで淡々と文字を書き始めた。

 

 

 

「こっちの世界は今、西暦2002年8月23日。

 

向こうを出た時は西暦2005年8月31日。

 

約3年のズレだ。」

 

 

 

そしてホワイトボードに書かれていく文字は

 

全員の視線を受けていた。

 

 

 

「俺たちの世界では10年前に戦争が起り、

 

日本は壊滅に追いやられた。

 

国の名前と政府機関は生き残ってはいたが、

 

土地、都市などは全滅。

 

人口も3分の2を失い、残りの人民は他の島に移された。

 

その島の住民は国家の壊滅と共に兵役を受けることになった。

 

壊滅状態の国家に反逆しないように、そして愛国心を持たせるために。」

 

 

 

 

ここに参加していない小坂田朋香、

 

そして消えてしまった柳生比呂士と菊丸英二を除いた全員が

 

息を呑んだ。

 

 

 

「手塚、それは僕たちも知ってるよ。

 

君は何を知ったんだい?

 

もしかしてグーシオンに何か聞いたのかい?」

 

 

 

「あぁ、彼は無口だがたまにぽつりぽつりと話をするんだ。」

 

 

 

話が終わると止めていた手を動かした。

 

 

 

「こっちの世界では日本が戦争に巻き込まれた記録はなかった。

 

人口も戦争前とあまり変わりない。

 

そして俺の母も生きていた・・・。」

 

 

 

“戦争前の人口:約1200億人”

 

 

“戦争後の人口;約4000億人”

 

 

“時間のズレ:約3年”

 

 

 

「手塚、少し聞きたいんだが、いいか?

 

俺たちの時間とこっちの時間がずれているのなら

 

俺たちの年齢も違ってきているはずだ。

 

なのに変わっていない、それはどう説明する?」

 

 

 

乾がそう口にすると手塚は答えた。

 

 

 

「それは俺にも分からない。

 

ただ、今は俺たちに分かることだけを書き出していこう。

 

それが解決の糸口なのだから・・・。」

 

 

 

手塚の書き出した文字はこの後も増えていった。