反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

BATTLE.25 実験

IT’S MY HEART

 

 

 

 

 

「これから行われる実験について説明する。」

 

 

 

真っ白い実験室には10人の白衣の男女が息を呑んで

 

1人の男の話を聞いている。

 

 

 

「ここには55人の実験サンプルがある。

 

三年で集めたものだが、モノはいい。

 

は幼児体で記憶も普通にある、只の子供だが。

 

彼らはクローンだ。」

 

 

 

1人の研究者が立ち上がった。

 

 

 

「・・・それはクローン実験を成功させたと言うのですか?

 

クローンを作ることは法律で禁止されているはずです。

 

それに遺伝子エラーが発生するかも知れません。

 

それは人として・・・・。」

 

 

 

バシュっと言う音が室内に響き渡った。

 

男の持っていたサイレント銃が放った弾が研究者を貫いたのだ。

 

 

 

「研究には多少の犠牲は付き物なのだよ。

 

皆は私の話をこのまま聞いてくれるんだね、それでは続けよう。」

 

 

 

他の研究員は只唖然とし死体の方を見ない様にと前に立っている

 

男をじっと見詰めていた。

 

この男に逆らったら命は無いと全員が思っていた。

 

もちろん、今抜けたとしても殺されるだろうと。

 

 

 

 

「このサンプル達はクローンとしては完璧だ。

 

私の造った最高傑作、他の研究者にはできないだろう。

 

しかし、それだけでは終わらせない、私はもっと他の実験がしたいのだよ。

 

そこでだ、この55体のクローン達を隔離して育て、

 

元の遺伝子提供者と同じ記憶を持たせる、そして彼らは彼らと同じ行動を

 

取るのかを実験したいと思っている。」

 

 

 

男はホワイトボードに淡々と絵を描き始めた。

 

 

 

「政府が極秘にしている実験室がある。

 

この様な球体の形をしたものだ。」

 

 

 

まるで地球儀の様な形を男は描き始めた。

 

 

 

「これは私の造った擬似の地球だ。

 

もちろん地球にあるもの全てを擬似として作り上げている。

 

元々、これは核実験のために私が作り上げたものだ。

 

これを使ってバーチャル世界を造り、クローンの実験をする。

 

まったく同じ記憶、同じ環境、同じ名前。同じ顔。

 

私は人とは何かを見極めたいのだ。

 

例えそれが神の裁きを受けようとも・・・・。」

 

 

 

 

 

「赤也、ほら明日はお見送りに行かないといけないのよ。」

 

 

「おみおくり?」

 

 

「そう、お見送り。」

 

 

 

母に手を引かれた幼い切原赤也は幼稚園から帰る途中だった。

 

 

 

「なぁ、本当にいいのか?

 

赤也のクローンを向こうに手渡しても。」

 

 

 

「えぇ、覚悟は出来てるわ。

 

遺伝子提供を求められた時にもう気付いていたの。

 

政府の研究ですもの、きっと幸せにしてくれるわ。

 

そして私達の赤也も将来を約束されるわ。」

 

 

 

 

 

 

「明日、私は預かったサンプル達と共にこの擬似の地球へと入る。

 

もちろん見送ることを希望するものがいたので彼らも連れて行く。

 

その後にサンプルの記憶操作を行う。

 

1つ思い出さない様にオリジナルの記憶を入れて実験室にいた時の

 

記憶を消すのだ、そして随時、オリジナルの記憶を更新する。」

 

 

 

男は時計の針を見ていう。

 

 

「明日、私に動向したい者はここに来る様に。」

 

 

実験室から男が居なくなると研究員たちは死体を見詰めた。

 

 

「死んでしまうくらいなら、協力した方がマシよ・・・。」

 

 

ゾロゾロと外へと研究員たちは帰り始めた。

 

 

 

 

 

「赤也、もしも赤也が死んでしまったら、

 

あの子も殺されてしまうのかしら?」

 

 

「殺されはしないだろうが、消されることは間違いないだろう。

 

それよりもあの赤也は存在してはいけないんだ。」

 

 

「それでもあの子は私たちの子供なのよ・・・。」

 

 

「しかたがないだろ、政府に逆らえば俺たちの命はない。

 

それに赤也の命も。

 

政府の裏組織に目を着けられてしまったんだからな。」

 

 

 

それから時が過ぎていった。