反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

BATTLE.23 欠陥遺伝子

Defect Gene.

 

 

 

 

「実験ですよ、クローン技術を使った・・・実験ですよ。」

 

 

 

1人の男が言った。

 

白衣を着た生真面目そうな男。

 

 

 

 

「大丈夫です、この事は内密に進めます。

 

国の関係者に迷惑は掛けませんよ・・・。

 

第一、   架空の国を作り上げているなんて誰にも分かりませんよ。

 

だって彼らは私の手の中の実験台(モルモット)なんですから。」

 

 

 

『ここに来た日、僕は悲しそうな僕の顔を見た。

 

鮮明に記憶に残っている、まるで僕が不二周助ではないみたいに。』

 

 

 

「遺伝子エラーの研究にご協力下さいませんか?」

 

 

 

1人の若い男が不二家を訪ねた。

 

そして遺伝子提供を求めていた。

 

 

 

「遺伝子の研究と言っても私に出来るものなんですか?」

 

 

 

「奥様、今妊娠されていると聞きまして、お願いしているんです。

 

奥さんの遺伝子とお腹の中のお子さんの遺伝子を貸して頂きたいんです。

 

人の遺伝子は何処まで子孫に反映していくのか、それが目的なんです。

 

もちろん、国で管理しているので外に漏れる事はありません。」

 

 

 

「遺伝子提供っていうのは髪の毛でいいのかしら?」

 

 

 

「・・・お腹のお子さんの遺伝子情報も提供していただきたいので

 

病院に行ってもらう事になりますが、母体もお子さんも安全です。

 

もちろんお礼も用意しています。」

 

 

 

 

「お礼?」

 

 

 

 

「・・・お子さんを公務員、もしくは国会議員として

 

将来を保障します。

 

もちろん、絶対にそうしろとは言いません。

 

お子さんの望んだ道が違うなら他の仕事でもホローされていただきます。」

 

 

 

 

「じゃあ、提供させていただきますね・・・。」

 

 

 

不二の母は政府関係者が持ってきた契約書にサインをした。

 

 

 

「それでは後日、他の者がお迎えに上がります。」

 

 

「母さん、あの人・・・帰っちゃったの?」

 

 

「由美子、母さんね、遺伝子提供する事になったわ。」

 

 

 

 

由美子は母の決断に息を飲んだ。

 

 

 

「どうして・・・。」

 

 

「母さん、年でしょ?

 

これからこの子が生まれたらどう成っちゃうんだろうって少し不安だったの。

 

将来のこととか・・・。

 

そしたら政府の方がこの子の将来を保障してくれた、だから・・・。」

 

 

 

 

由美子の母親は自分のお腹を摩った。

 

 

 

 

「不安はないわ。

 

この子が無事生まれてくれればそれで・・・。

 

そして遺伝子の研究にも役立てるわ。」

 

 

 

『僕は母さんに選ばれなかった偽者の不二周助。

 

母さんから生まれたのに、母さんが僕を造ったのに・・・。

 

母さんは僕を知らないんだ・・・。』

 

 

 

「・・・この子の将来は私がしてあげられる事をしてあげたい。

 

少しでもこの子が幸せに成れる様に・・・。」

 

 

 

不二の母の腕には赤子の周助が眠っていた。