反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

 

 

BATTLE.18 慣れない世界

Help me.

 

 

 

 

 

「跡部景吾、君は何を見てきたのだ?」

 

 

 

「お言葉ですが、監督・・・。

 

俺は何も見てきていません。

 

只、彼らを連れて帰っただけです。」

 

 

 

薄暗い教室の中で跡部と榊は話し合っていた。

 

 

 

「お前の連れて帰った跡部景吾、type‐3630

 

使い物にならないくらいダメージを受けているな。

 

こっちの環境に慣れさせるには問題があるのではないか?」

 

 

 

 

 

 

榊が回転する椅子を回して跡部に背中を見せた。

 

 

 

 

 

「否、問題ありません。

 

ただ、今は家で休養しています。」

 

 

 

 

「しかし残酷だな。

 

殺し合うことを逃れた少年達がまさかあんなことに巻き込まれるとは

 

夢にも思っていないだろうな。」

 

 

 

 

榊の背中を跡部は睨んだ。

 

 

 

 

「失礼します。」

 

 

 

「跡部、助けたいのなら・・・。

 

これ以上は彼らを苦しめないことだ・・・。

 

幸せが彼らを壊す前に・・・・。」

 

 

 

 

跡部はガタンと大きな音を発てて教室の扉を閉めた。

 

 

 

 

「跡部、私たちは救われない運命の子供達を

 

連れてきてしまったのだ・・・・。

 

その覚悟もできていないままに・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

「おい、跡部。」

 

 

 

 

岳人が廊下を歩いている跡部に話しかけてきた。

 

 

 

 

「・・・お前、向こうの・・・。」

 

 

 

「あぁ、代わりにと頼まれたんだ。

 

外にでるのは2週間ぶりだぜ。

 

勉強は少し嫌だけどよ、テニスがしたくてウズウズしてたんだ。」

 

 

 

 

「お前くらいの元気がアイツにもあればいいのだがな・・・。」

 

 

 

「・・・跡部、まだあのままなのか?」

 

 

 

岳人が暗い顔をした。

 

 

 

 

「・・・少し、現実を受け入れられない様だ。

 

手塚に任せてあるが・・・。

 

もしかしたら俺もあんな風に弱いのかも知れないな。

 

現実主義者ってのが仇になるとは俺も思いも寄らなかった。」

 

 

 

 

 

「でも跡部なら大丈夫だ。

 

アイツはいつでも俺たちよりも上にいる男だからな。」

 

 

 

 

 

岳人はチャイムの音が鳴ると教室に走っていった。

 

 

 

 

「・・・向日、俺はそんなに強くはないんだ。

 

俺のことだから俺自身が一番しっているんだ。」

 

 

 

 

 

跡部の頬に生暖かい液体が零れた。

 

 

 

 

「岳人・・・」

 

 

 

「侑士、跡部以外はみんな向こうの奴らが来てるみたいだぜ。

 

やっぱり跡部は・・・。」

 

 

 

 

「岳人、俺たちも人事じゃないんやで?

 

死なないために此処まで来たんや・・・・。

 

帰り、跡部の家に寄ってみようか?」

 

 

 

テニスコートに響くボールの音は

 

これが現実だと物語っている様だった。