反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

 

『ここは海だ、ただ拾い海。

 

知っている顔の男に付いてきたらいつの間にか

 

こんな所にいる。』

 

 

 

 

BATTLE.15 放れてしまったモノ

I am people. But I am FAKE.

 

 

 

 

 

 

「手塚・・・。」

 

 

 

不意に俺は呟いた。

 

でも俺はソイツが手塚ではないと知っていた。

 

しかし、ソイツは間違いなく俺の知っている手塚に酷似していた。

 

 

 

 

「お前は何故、俺に着いて来た?跡部・・・。」

 

 

 

「俺は現実を受け入れられない。

 

ましてや、自分と同じ顔をした男に着いていけるほど強くない。」

 

 

 

跡部の顔は真っ青に固まっていた。

 

 

 

 

 

「外には何があるのかな?」

 

 

 

千石は明るい声でセレスに話しかけた。

 

まるでこの先に何の不安もないようだ。

 

その姿は遠足で行き先に向かっている途中の様な姿だった。

 

 

 

「外も此処も全然変わらないよ。

 

ただ監視されているか、そうでないかの違い。

 

僕等の片割れを助け出そうとしている事がバレたら

 

僕等も監視の対称になっちゃうかも知れないけど。」

 

 

 

 

「そこまでして僕等を助け出す理由ってなに?

 

君達は僕等がどうなろうと知ったこっちゃないでしょう?

 

だって僕達は実験として生まれてきたんだから・・・。」

 

 

 

 

千石の目は輝いていた。

 

 

 

 

「そうだね、でも僕は僕を助けたいんだ。

 

同じ遺伝子の僕と同じ、否、僕自身を助けたかった。

 

だから今、君達を助け出そうとしている。」

 

 

 

セレスの見つめる先には青学の竜崎桜乃と小坂田朋香の姿があった。

 

 

 

「助けて何になるかなんて分からないし。

 

外が安全ではない事は確かだよ。

 

政府に逆らってしまったら、きっと僕達も・・・・・。

 

ちなみにその政府っていうのは・・・正式な政府ではなく

 

闇組織ね、だからその組織にバレなければ安全に暮らせると思う。」

 

 

 

波に揺られているうちはソレが真実かなんて

 

千石にはどうでもいい事だった。

 

 

 

「跡部、俺たちは生きる為に此処まできたんだ。

 

それを理解してほしい。

 

好きな物、大切にしていた物すべて失ってしまっても

 

俺たちは生きて真実を知るべきなんだ。

 

誰にも、もう止められない。」

 

 

 

 

顔を崩さない手塚とは対象に顔面蒼白の跡部は

 

繰り返される波を只、見つめていた。

 

 

 

 

「外に出るって結構難しくないんですね。

 

俺、てっきり相当な事するんだと思ってました。

 

映画のS・Fみたいに。

 

マシーンとか、銃とか使って・・・・。」

 

 

 

 

鳳はそう手塚の顔をした男、グーシオンに話しかけた。

 

 

 

 

「そうだな。

 

お前たちのいた世界は異世界ではない。

 

閉ざされた国とでも言えばいいのだろうか。

 

外の情報の入ってこない閉鎖された箱庭とでも言えばいいのか・・・。」

 

 

 

 

「つまりは大きい研究所って事ですよね?

 

俺たちはモルモットで、闇の組織、政府の中でも

 

異質な組織で生かされてきた・・・・。」

 

 

 

 

 

鳳の声にグーシオンは只、頷いた。

 

 

 

 

 

「不思議ですね、生かされていたなんて。

 

しかも俺たちは白い鼠だったなんて・・・・。」

 

 

 

 

「アザエル、俺たちは何処へ向かうのだろうな?

 

昔、お前の好きだったテニス・・・。

 

それを止めてまで助けようとした訳ってなんなんだ・・・。」

 

 

 

 

 

 

グーシオンの声は跡部から離れてしまったアザエルのへと向けられた。