反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

BATTLE.13 消えて欲しくない記憶

Call My Name

 

 

 

 

 

「桜乃、私たちはどうなっちゃうのかな。」

 

 

 

朋香と桜乃は2人で小屋の隅に座っていた。

 

 

 

「跡部さんに千石さん、それに手塚先輩まで・・・。

 

って事は私たちも・・・。」

 

 

 

朋香は自分の脚を抱きしめていた。

 

 

 

「少し平和じゃなくなった日本から助けてくれた国に移住して

 

その為に受ける兵役で意外な事を知っちゃったんだよね。

 

私、何も知らなかった。

 

戦争に巻き込まれても幸せだったし、お母さんもお父さんも一緒で

 

弟たちも・・・。」

 

 

 

 

 

朋香は突然立ち上がった。

 

 

 

 

 

「・・・私の弟たち・・・。」

 

 

「朋ちゃん・・・?」

 

 

「私、帰らなきゃ。

 

弟たちを連れてこないと・・・。」

 

 

 

 

 

朋香の姿を見たジャージを着ている手塚が話し掛けた。

 

 

 

 

 

「どうした、小坂田。」

 

 

 

「私、帰らなきゃ。

 

だって逃げるなら弟たちも一緒に・・・。」

 

 

 

 

手塚は冷静に言う。

 

 

 

 

「お前は弟たちの名前を覚えているのか?」

 

 

 

「・・・・・・・。」

 

 

「それはお前の造られた記憶なんだ。」

 

 

 

 

「貴方は手塚先輩じゃない、私の・・・知っている先輩じゃ。」

 

 

 

朋香はしゃがみ込み、俯いたままで言う。

 

 

 

「私の・・・・記憶が・・・嘘だって言うの。

 

だって毎日、あんなに笑っていた記憶がもう、殆どないの・・・。

 

弟の面倒を毎日見ていたはずなのに・・・。」

 

 

 

 

「それは仕方の無いことだ。

 

情報を操作している奴を殺してしまったからな。」

 

 

 

 

ジャージを着た跡部がそう言い放った。

 

 

 

 

「アンタたちは偽物よ。

 

本物の先輩たちは・・・・。」

 

 

 

「お前が俺達をそう呼びたくないなら

 

俺らの事はコードネームで呼べばいいじゃない?

 

それならややこしくないだろう?」

 

 

 

 

 

ジャージを着た跡部がそう言うと3人は名前を告げた。

 

 

 

 

 

「俺は千石清純、コードネームはSeir(セエレ)。」

 

 

「俺はAzael(アザゼル)だ。」

 

 

跡部がそう言うと手塚が続く。

 

 

Gusion(グーシオン)だ。

 

俺達のことはそう呼んでくれ。」

 

 

 

 

千石はセエレに呼びかけた。

 

 

「俺が千石清純って名乗ってもいいんだよね。」

 

 

 

「あぁ、此処は君達の世界だからね。」

 

 

セエレは優しく微笑んだ。

 

それを見た千石も微笑み返した。

 

 

 

 

 

「朋ちゃん、大丈夫だよ。

 

きっと思い出せるから。」

 

 

 

 

桜乃の声が儚く消えた。