反逆の遺伝子

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

BATTLE.11 死んでしまった日々

Doppelganger

 

 

 

今まで真実だと信じていた事が偽りだと知った時、

 

人は何かを失う。

 

 

 

「跡部、起きたのか。

 

悪かったな、無理矢理連れてきてしまって。」

 

 

 

俺は今までの築いてきたモノや、俺の努力を否定された気がした。

 

不二の言う、真実とは何なのか。

 

 

 

 

「否、俺もお前に連れて来られなかったら

 

政府に殺されているところだった。」

 

 

 

 

兵役を受けるだけなのに、俺は何故逃げているのか。

 

殺し合いをするという特殊な兵役のせいなのか。

 

 

 

 

生き残れるのは1人だけだからか・・・。

 

 

 

 

 

「君が跡部景吾くんかい?」

 

 

見知らぬ男が俺に話しかけてきた。

 

 

 

「お前は誰だ。」

 

 

「俺の名前は跡部景吾だ。」

 

 

 

 

何を言っているんだ?

 

俺と同じ名前の男、そいつは俺と同じ顔をしていた。

 

悪い夢を見ている気分だ。

 

 

 

 

 

「俺は外の世界のお前だ。

 

否、お前の片方とでも言えばいいのか。

 

実験のために造られたモノと言えばいいのか。」

 

 

 

 

 

「何を言ってやがる。

 

俺は俺だ、そんな事、信じられるか!」

 

 

 

 

 

怖かった、声を張り上げていないと死んでしまいそうで。

 

まるで目の前にいる自分はドッペルゲンガーの様だった。

 

 

 

 

 

「跡部、俺も混乱している。

 

俺の片方と名乗った男もいる、お前だけが被害者ではない。」

 

 

 

 

 

何時も冷静沈着な男だとは思っていたが、

 

自分にそっくりな男を目の前にしても動転していないことに

 

俺は何も言えなかった。

 

 

 

 

 

「ドッペルゲンガーを見ている気分だな。

 

でも俺達は真実と向き合って行かなくてはならない。

 

此処から逃げ出して・・・。」

 

 

 

 

手塚にそっくりな男が俺を見つめていた。

 

俺の隣で立ち尽くしている手塚を視線に入れているが

 

その先にはその手塚にそっくりな男が立っているのだ。

 

現実とは思えない状況に俺はただ瞼を閉じた。