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反逆の遺伝子
BATTLE.1 僕達の国
「手塚、この世界には何人の難民がいると思う?」 「何億といるだろうな。」 「冷たいな、手塚は。 この世にはね幸せな人間なんかより不幸な人間の方が多いんだよ。」 彼らは歴史の授業で昔の日本は世界一平和な国だと言われていたと習った。 でも十年前くらいから他国の戦争に巻き込まれて 人口の役3分の2を失った。 彼らが幼い頃の出来事で彼らはソレを覚えてはいないけれど 歴史に残るくらい重大な出来事と捕らえられている。 「僕達も幸せな部類の人間になるけど 僕達は難民なんだよ、手塚。」 「そうだな、でも幸せなら難民も何もないんじゃないか? お前の拘る事が分からないのだが。」 手塚は10年前の戦争で母親を失った。 それでも母親が賢明に守ってくれた命で自分が生きているのだと 毎日の様に実感している。 「俺は生きていられるだけで幸せだと思っている。 たとえ俺達がそんな風に見られていても構わない。」 難民の運命は決められている。 殆ど壊滅状態の日本への忠誠の為に兵役制度が義務付けられている。 「僕達、今年で15歳だね。 15歳までに兵役を済ませないと政府に連行されるんだって。 そして・・・。」 不二の言葉を手塚は只黙って聞いていた。 「俺は今年の夏に受ける事にした。 父にも進められた、夏の方が参加者も少なく充実していると。」 手塚は自分の机の前に立ち尽くしている不二を見上げた。 「へぇ、手塚も兵役受けるんだ? 片親や両親の居ない子供は免除されるはずだけど・・・。」 「俺の意思だ、俺の意思で行く事を決めたんだ。 戦わなければ生きていけない、俺はそれをよく知っている。」 「わざわざ死ぬ為に行くのかい?」 不二は手塚の元を後にした。 「俺は戦いたいと思っている。 死ぬ事を恐れないくらいに強くなりたいと思っている。」 恐怖を受け入れなければ成らない時が何時かくる。 それから逃げるのは不可能だから戦うのだ。