子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.43 報復の時は訪れた

 

 

 

 

 

 

「お前たち・・・。」

 

 

どうしてこんな事に成っているんだ、死体の山に無傷の柳。

 

そして今にも倒れそうな切原。

 

 

「残り4人ですよ、幸村部長。」

 

 

その声を残して切原は倒れた。

 

 

「幸村、どうして此処に来たのだ?」

 

 

「お前たちの声がしたからだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どこが監視室だ?」

 

 

宍戸は島の外れにある監視施設に足を踏み入れていた。

 

 

「・・・不二・・・・。」

 

 

沢山の部屋のドアの1つが開いていた。

 

その中には女と不二が倒れていた。

 

 

 

「首を爆発させられたのか・・・。」

 

 

 

 

「よぉ、宍戸。」

 

 

見知らぬ男が立っていた。

 

彼は兄貴を殺したアイツに似ていた。

 

遠目で見たあの顔が物語っている。

 

 

 

「アンタは・・・・。」

 

 

「俺は関係者だよ、それにしてもこんな所に入り込むなんて

 

今回の参加者は悪い奴らが多いな。」

 

 

白い部屋の中では2人意外の気配が感じられない。

 

 

 

「お前の兄貴もこの近くで死んだんだよ。

 

俺に殺されてな・・・。

 

でもあいつのおかげで此処ももう無人だ。」

 

 

「やっぱりお前が殺したのか、お前が。」

ふてぶてしい声で男は言う。

 

 

「あぁ、内密に片付けたがお前には気付かれてしまったようだな。

 

でもアイツが悪いんだ、感知できない場所で生き残っていたんだからな。」

 

 

 

宍戸は拳を握り締めて言った。

 

 

 

「それでも生きていたなら何故殺した?」

 

 

「そんなの決まってるだろう。

 

上に報告するのにあんな失敗が表に出たらまずいからだ。

 

それに一度決めた優勝者をもう一度危険に晒す訳にはいかないからな。

 

優勝者は政府の人間になるのだから。」

 

 

 

宍戸の怒りは止まらなかった。

 

 

 

「殺してもいい人間なんていない?

 

そんなのウソだ、お前の様な人間がいるから

 

どんどんこの世界は腐っていくんだ。」

 

 

 

 

宍戸のショットガンは男の顔を掠めた。

 

 

 

 

殺される覚悟のない奴に人を殺す権利なんてないんだよ。

 

戦争は自分の守りたいものを守るために戦うんだ。

 

お前の様な只の娯楽のために兄貴は・・・・兄貴は・・・。」

 

 

 

蜂の巣の様な男の身体は宍戸の心に穴を開けた。

 

 

 

「俺の目的は終わった・・・。

 

このゲームももうすぐ終わる。

 

アイツのもとに俺も逝けるだろうか・・・・?」

 

 

 

宍戸はコントロール室に向かった。

 

首輪が反応し始めたのを感知したからだ。

 

 

 

「宍戸くん、待って。」

 

 

 

女の声で宍戸は足を止めた。

 

 

 

「私、知っているわ。

 

ここから10分走れば間に合うから。」

 

 

 

女の言葉を頼りに宍戸は走った。

 

 

 

 

「・・・あの女、幸村に似ていたな。」

 

 

 

 

『今年の優勝者は女らしいぞ、幸村っていう。

 

なんでもテニスの有名な選手らしいぜ。』

 

 

 

そんな事を噂で聞いた宍戸は彼女が幸村の姉である事を確証した。

 

 

 

「どうして俺にそんな事教えたんだ。

 

お前の弟ですら首輪を爆発させてしまうかもしれない俺に。」

 

 

 

殺し合う事に意味なんて無い

 

 

 

「助けてあげられなくってごめんね、精一。

 

私、また約束・・・守れない・・・・。」

 

 

 

 

 

帰ろう、みんなで帰ろうよ。