子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.41 殺意とは違う何か

 

 

 

 

 

 

「忍足に向日。」

 

 

彼らは出会った。

 

それは出会っても不思議な事ではなかった。

 

此処は無人島、広さはそれほど広くはない。

 

 

 

「柳、お前1人で行動してたんか?」

 

 

「何故お前たちは2人で行動してるんだ?」

 

 

 

 

何故と聞かれても忍足には答えが無かった。

 

 

 

 

「殺し合う運命なのにも関わらずお前たちは一緒にいるのか?

 

それでは悲しい思いをするだけではないのか?」

 

 

 

 

向日は歪んだ顔を見せた。

 

柳に見せるその顔は何を考えているのか簡単に分かる顔だった。

 

 

 

 

「お前!!俺に殺されたいのか?」

 

 

 

 

何も持っていない向日は柳に襲い掛かった。

 

素手の向日に殺傷能力は無いが柳はとりあえず身構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目眩がするけど死なない程度だ。

 

柳生先輩はそろそろ戻ってくるのかな?

 

俺の死ぬのを見に帰ってくるのか・・・・な。」

 

 

 

切原は自分の身体を庇う様にゆっくりと歩いていた。

 

 

 

 

「柳先輩に伝えなきゃいけない・・・。

 

だって柳生先輩に殺されるなんて・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「忍足・・・なんでそんな事を・・・・。」

 

 

 

 

「見たくなかったんや、本当は最初から止めたかったんや。

 

殺したくなんて無かったけど、こないな姿はもう見たくなかった。」

 

 

 

 

向日の体は無残にも切り刻まれていた。

 

 

 

 

 

「さよならや、柳。」

 

 

 

 

 

 

忍足は自分の胸にサバイバルナイフを向けた。

 

柳は止めなかった。

 

 

 

「柳、お前は人を殺してないんやろ?

 

だったら生き残ったらいい、お前は綺麗なままや。」

 

 

 

 

 

 

人には死を選ぶ権利がある。

 

 

 

 

 

 

 

「無残な死に方なんて無い、美しい死に方ですよね。」

 

 

 

 

 

その声は彼の物だった。