子供達の聖戦

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

Battle.4 未知の世界へ     

 

 

「空が青い、今日はテニス日和だなぁ〜。」

 

山吹中の千石清純は只、空を見上げた。

 

「何で、俺達なんだろう・・・。

神様も意地悪だね、ラッキーな俺にこんな仕打ち。」

 

空には美しい鳥たちが戯れている、美しい場所。

今から殺し合いが始めるとは思えないほどの平和さ。

この綺麗な大地がもう直ぐ、赤く汚れる

 

「懐かしい気がする、こんなに綺麗な自然。

昔はたくさんあったはずなんだけどなぁ。」

 

 

【生きるのに犠牲は必要か?】

 

【必要です、彼女が生き残るには】

 

【誰の犠牲が必要なの?】

 

【君の犠牲さ、清純くん】

 


 

「先生、もう助からないなんて言わないで。

この子は私の実の子なんです、あの子たちとは違うんです。

私はこの子の為なら、何でもしますから。

この子を助けてください。」

 

白い病室を覗いている一人の幼い少年、彼は千石清純。

 

『ぼくは、ほんとうのこどもじゃないの?おかあさん。』

 

「助けるには心臓移植しか方法はありません。

しかし、日本の法律ではドナーは無理です。」

 

小さな窓がある子供部屋

清純と姉は二人で遊んでいた。

 

「おねぇちゃん、ぼくたち、おかあさんのこどもじゃないの?」

 

「そうだよ、わたしたちのおかあさんは

おとうさんのあいじんなんだって」

 

部屋の外から清純の継母が呼んでいる。

 

「清純。今日、真由子が手術するの。

その前に真由子が清純に逢いたいって言うのね

真由子が手術、頑張れる様に励ましてくれるわよね?」

 

 

 

 

「えっ手術は中止?どう言う事ですか、先生!」

 

「私には出来ません、彼女のお兄さんを殺してまで

真由子ちゃんに心臓を移植するなんて・・・。」

 

『ぼくは、まゆこのためにころされるはずだったの?

おかあさんは、ぼくがキライなの?』

 

その手術が中止になって暫くすると、清純の継母は消えていた。

 

「清純、よく聞きなさい。
 
清純の本当のお母さんはこの人なんだ。

こんどから一緒に住む事になったんだよ。」

 

 

「まえのおかあさんは?」

 

「真由子と一緒に行ったよ。」


 

 

「俺の家族は血の繋がった父、母、姉・・・

ごく一般的な幸せの形のはず。」


 

【犠牲が必要?】

 

【俺は昔から知っていた】

 

【誰かを守る為には犠牲が必要】

 

【昔、俺の義母がしたような事が必要】

 

【俺は犠牲にされる訳にはいかない】

 

 

「今、全員が外に出た。これから10分後のサイレンで殺し合いを

始めてくれ、それでは君たちの健闘を祈る。」

 

 

【俺は犠牲に成りたくない、昔みたいに・・・】


 

 

「千石清純、お前は自分の無防備さに気付け・・・・」