子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.37 自分なりの流儀で

 

 

 

 

「この殺し合いのルールは簡単だった。

 

殺せばいいんだ、どんな方法でも殺した奴が勝つんだ。

 

俺は誓ったんだ、殺された兄貴の敵を取る為になぁ。」

 

 

 

宍戸はショットガンを跡部に向けたまま話始めた。

 

 

 

「人は生きる事を良い事とするが

 

1人が生きようとすると1人が死ぬとしたらどうする?

 

人が死んだら、1人は生きられるとしたら・・・・。」

 

 

 

 

跡部は宍戸の目を見つめていた。

 

その瞳は誰にも変えられない決意が見えた。

 

 

 

 

「一般社会では自殺を否定する、当たり前の様に。

 

でも生きようとする事は称えられる、当たり前の様に。

 

それは他人を思いやる気持ちからなのか、それとも只のエゴなのか。

 

誰にも止められない死がある、それは事故だ。

 

それすらも人は悲しむ、何故?」

 

 

 

 

宍戸は一歩一歩と跡部に近付き始めた。

 

 

 

 

「此処で生きようとする事は他人の死に直結する。

 

お前が生きれば俺は死ぬ、お前が死ねば俺は生きる。

 

お前の足元で転がってる奴もお前が死んだら生きていたのに・・・。

 

お前は生き物を犠牲にして生きていると自覚しているのか?

 

俺は自覚していなかった、それが当たり前だったからだ。

 

固定概念は中々変えられないんだ、誰でもな。」

 

 

 

 

ショットガンの弾をセットする音が鮮明に聞える。

 

 

 

 

「兄貴は俺を置いてこれと同じ戦いに行ってしまった。

 

戦ったんだ、こんな過酷な中で誰にも負けない様にと。

 

そして後1人だったのに、関係の無い男に殺された・・・・。

 

許せなかった、人の死はそんなに軽くは無い。

 

生きたいと思った奴が勝ち残る為に戦ったのに

 

それを・・・・・・・。」

 

 

 

 

跡部の緊張はピークに達していた。

 

このまま撃ち殺されるかも知れない状況に。

 

 

 

 

 

 

「生き物の犠牲無しに人は生きられない。

 

そうやって妥協していくしかないんだよ、人間は・・・。」

 

 

 

 

跡部の体中には紅いモノが散らばっていた。

 

 

 

 

「これが俺なりのルールなんだよ、跡部・・・。

 

そうやって妥協しないと何も出来ないんだ。」