子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.36 苦しみの果てに

 

 

 

 

 

息が苦しい、走った所為かも知れない。

 

でも、俺はこのくらいじゃ息切れはしない。

 

王者立海の練習メニューに慣れてるからな。

 

でも心拍数が上がる。

 

それは初めて一人に成った所為かも。

 

今までは先輩達と一緒に行動して来たから。

 

海岸までやってきた。

 

2日しか過ぎていないのに懐かしい気がする。

 

家からそう離れてはいない海が懐かしい。

 

 

 

 

「・・・ゲッ・・・フ・・・。」

 

 

 

 

地面が赤く染まった。

 

何故かは分からなかった。

 

 

 

 

「何で・・・なんで・・・・・。」

 

 

 

パニックになった、何で俺がこんなに血を吐いているのか?

 

 

 

 

「切原くん・・・・。」

 

 

 

 

柳生先輩、俺の事追ってきてくれたんスか?

 

すごくうれしいです・・・。

 

でも・・・。

 

 

 

 

「切原くん、すみませんね。

 

私の不注意でこんな事になってしまった。

 

個人行動なんてさせるべきではなかった・・・・。」

 

 

 

 

最後に言いたい事があるのに声にならない・・・。

 

自然と涙が溢れてきて・・・。

 

昔は泣くなんて殆どしなかったのに・・・・。

 

 

 

 

「貴方は死ぬんですよ。

 

でもその記憶は私の中に残ります。

 

死してその命を永遠に残せるのは人の死には

 

魅せる力があるのですよ。」

 

 

 

 

柳生先輩?

 

 

 

 

「貴方は殺したのは私ですよ。」

 

 

 

死にたくない・・・

 

死にたくないのに・・・・

 

目が霞む

 

こんなに苦しいのに生きたいんだ。

 

人って不思議な物なんだな。

 

不思議な生き物だからこんなにも苦しいのかもしれない。

 

尊敬している先輩に裏切られて苦しい

 

身体的に苦しいのよりも辛いんだ。

 

 

 

 

「さぁ、私はこれで失礼しますよ。

 

貴方の死は約1時間ほどで訪れるでしょうね。

 

その時、また此処に来ますね。」

 

 

 

 

その不気味な笑いが俺を奮い立たせた。