子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

Battle.30 夜の魔法

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャッカルを殺した。

 

誰よりも仲の良かった男なのに俺はジャッカルを殺した。

 

その現場に幸村がいた。

 

アイツも相当驚いていた様だ。

 

でも俺にはどうでもよかった。

 

だって俺にはもう何もないからだ・・・・。

 

 

こんな夜に何で一人で蹲っているんだろうとか思っている。

 

木の陰で蹲っている。

 

死んでも構わないとか思っていても殺されそうになったら

 

殺してしまうんだ。

 

人なんてそんなもんなんだ。

 

 

 

「・・・丸井くんですか?」

 

 

 

柳に柳生に・・・赤也か・・・。

 

何で俺の目の前にいるんだ?

 

 

 

「丸井・・・・。

 

何処か刺されたのか?」

 

 

「先輩・・・・。」

 

 

俺が殺したのは何でだっけ?

 

 

 

「ねぇ俺がご飯作ってあげるよ。

 

昨日からあんまり良い物食べてないでしょ?

 

ここなら温かい物も作れるし。」

 

 

 

千石はうれしそうに手を上げて言った。

 

 

 

「あぁ、腹減ってるし。

 

夜は寒いし、温かい物食べたいかも。」

 

 

 

 

傷口を押さえながら慈郎は言った。

 

 

 

 

「そうだよね、やっぱり。

 

芥川くんの傷口も心配だし、俺作るよ。」

 

 

 

 

外で焚き火の上に山小屋の中にあった鍋に飲料水を入れて温め始めた。

 

 

 

「あれ、跡部くん。

 

手伝いに来てくれたの?」

 

 

 

 

跡部はうれしそうな千石を見て言う。

 

 

 

「毒でも盛られたらたまらないからな。」

 

 

 

「そんな事、俺しないよ。

 

俺の武器はこの袋切ってるカッターだけだし・・・。」

 

 

 

右手に握っていたカッターを跡部にちらちらと見せた。

 

 

 

「そうかい、でもな・・・。

 

お前が他の奴を殺して他の武器を手に入れている可能性だってあるんだ。」

 

 

 

「そこまで言うなら俺のデイバッグを漁ってみたらいいよ。

 

他には何も入ってないし・・・。

 

どうせならボディーチェックもする?

 

どうせ何も出てこないと思うけど。」

 

 

 

千石は料理の手を休めずに言った。

 

 

 

「こんなところじゃ信用してくれって言う方が可笑しいよね。

 

跡部くんが俺を必要以上に疑うのも無理ないと思うし。

 

他の皆が可笑しいんだよね、こんな簡単に他校の生徒信じちゃうんだから。」

 

 

 

 

跡部は千石のもとを離れた。

 

 

 

 

 

 

殺して欲しいと頼んだのに何で俺をここに連れてきたんだ・・・。

 

ジャッカルは俺が殺したんだ・・・。

 

を軽蔑する様なあいつの眼が怖かった・・・。

 

 

 

「丸井先輩、ご飯食べないと持ちませんよ・・・。」

 

 

 

赤也は俺の事を怖がりもせずに近付いてくる。

 

何で人殺しと一緒にいれるんだ?

 

 

 

「作戦の為だ、丸井。

 

教室を出るさいに青学、氷帝は学校ごとに行動している様に見えた。

 

俺たちもまとまらないと死ぬ事になるからな。」

 

 

 

柳、お前は何時も冷静だな。

 

でもお前は何でそんなに冷静なんだ?

 

目の前で殺し合いが起こっているのに・・・・・。

 

焚き火の炎が高く舞い上がった。

 

 

 

「星が綺麗だ。

 

流れ星が願い事を叶えてくれるかもしれないな・・・・。」