子供達の聖戦

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

      

                                 Battle.3 絶対零度の眼差し

 

 

 

 

『僕には彼の事意外、今は考えられない。

 

大切な人を失うのがこんなに苦しいなんて・・・

 

裕太、君の手は汚れずに済んだけれど。

 

僕はそうも行かないみたいだ、君の為に今から僕は殺人鬼になるよ。』

 

 

 

 

デイバッグを配り始めた様子を不二は只見つめていた。

 

不二は自分でも驚くほどに落ち着いていた。

 

 

 

 

「今回は立海のメンバーが先に出る、幸村を筆頭に

 

真田、柳、柳生、仁王、丸井、ジャッカル桑原、切原の順だ。

 

その後の学校はランダムにした、問題ないな!」

 

 

 

 

 

『意義を唱えたら容赦なく殺すくせいに・・・』

 

 

橘杏は俯いた。

 

 

 

 

「次、跡部景吾。君の活躍、下の者から聞いてるよ。

 

しかし、残念だったねぇ。

 

君の後輩の日吉くんが勝ってさえいれば

 

全国優勝も間違いなかったのに。

 

出来の悪い後輩を持つと大変だね、君の苦労よく分かるよ。

 

僕も出来の悪い後輩が居るからねぇ・・・」

 

 

 

 

跡部は不気味な笑みを浮かべる関係者に

 

じろりと睨みを効かせた。

 

 

 

 

「それが俺の事とどう関係しているって言うんですか?」

 

 

 

 

「それは君の後輩の日吉くんが、このゲームに参加しないって

 

断わったからだよ。もちろん、出来の悪い私の後輩は

 

その日吉くんを連れて来られなかった者の事だよ。」

 

 

 

 

関係者の言葉を流せない者が氷帝生の中にいた。

 

 

 

 

『どうゆう事なんだよ、日吉。

 

お前はそこまでして自分が生き残りたかったのか?

 

立海の幸村さんみたいに仲間を有利にするなんて考えられ

 

ないくらい自分が大事なのかよ。』

 

 

 

 

鳳は顔を下に向けて拳を強く握った。

 

 

 

 

「次、橘杏。そして次、不二周助。」

 

 

 

 

『裕太、僕は君の為にこの罪のない子達を殺すことになる。

 

でも、僕は後悔しない。

 

だって、復讐を幸村と政府に果たす為に僕は誓ったんだ。』

 

 

 

 

 

『アニキ、俺が絶対倒してやるからな!テニスで。』

 

 

 

 

『裕太、それはどうかな。僕はまだ裕太に負ける気はないよ。』

 

 

 

そんな他愛も無い事が幸せだったと気付かされた不二は

 

とても人とは思えない目をしていた。

 

 

 

 

そして、そんな不二周助を淡々と見入る人がいた。

 

 

 

『不二・・。裕太くんが目の前で死んでしまったから・・・・

 

あんな酷い顔、始めて見た。

 

いつも笑っているのが不二なのに・・・。』

 

 

 

 

菊丸は彼の心がもうこの場所に無いことを悟った。

 

 

 

なぇ不二、あまり無理はしないで。

 

俺達、友達だろ。何でも言ってよ、チカラになるから・・・。

 

俺じゃ役不足かも知れないけど、

 

一人で抱え込むよりも2人の方が絶対ラクだから。

 

 

 

 

『俺の心の声は届かない、絶対零度の彼の瞳には・・・。』