子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.29 何かが始まった

 

 

 

 

 

 

 

山吹中の残るメンバーは5人だったがたった今、3人になった。

 

 

「・・・後、何人くらいなんだろうね。

 

俺に殺される奴は・・・・。」

 

 

新渡戸と喜多は血だらけで千石の足元に倒れている。

 

 

 

『・・・向こうから煙が見える。

 

亜久津がボヤでも起したかな?』

 

 

 

千石は煙の見える方向へ向かった。

 

 

 

「・・・そいつ、逃げんの早くてよぉ。

 

大変だったんだよな、侑士。」

 

 

「そう、やな・・・。」

 

 

段々と煙から離れた方向に氷帝のメンバーは進んでいた。

 

 

「・・・珍しいな、向日がいっぱい喋って忍足が黙ってるなんて。」

 

 

芥川は腹を押さえながら歩いていた。

 

宍戸に刺された傷口から血が出始めたのだ。

 

 

「慈郎、どうしたんだ?」

 

 

「ちょっと開いてきちゃったみたい・・・・。」

 

 

 

 

 

「・・・いやぁ、偶然だね。

 

こんな団体さんに会うなんて・・・。」

 

 

千石は笑顔で氷帝のメンバーに近付いていった。

 

 

「千石じゃねーか。」

 

 

跡部は千石を睨み付けた。

 

 

「ねぇ君たち、あの山小屋に行くんだって?

 

僕を一緒に連れてってくれないかな?

 

連れて行って損はないと思うよ。」

 

 

千石は氷帝のメンバーと一緒に行動を始めた。

 

 

 

「千石は今まで誰にも会わなかったのか?」

 

 

向日は興味津々に千石に話し掛け始めた。

 

山道が段々ときつく成るにつれてメンバーの話し声は無くなって行った。

 

その中でも向日の声だけは響き続けた。

 

 

 

暫く歩いて山小屋を見付けた。

 

高い位置にある所為もあって崖の下が見渡せる。

 

 

「ここならあんまり人も来ないし、いいんじゃないかな?

 

樺地くんもそう思わない?」

 

 

 

千石は樺地と一緒に山小屋の周りをふらふらと散歩していた。

 

 

 

「そろそろ夜になるね。

 

星とか凄く綺麗だと思うよ。

 

東京じゃ見れない星空がここでは見られそうだ。」

 

 

 

 

 

空は紫色に染まりながら闇を運んできた。