子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.28 ある決意を決めて

 

 

 

 

 

「幸村、探したぜ・・・。」

 

 

 

俺はこいつを尊敬していた、誰よりもな。

 

真田には出来ない事がこいつには出来た。

 

人の為に何でもした、自分を犠牲にしてまで。

 

 

 

 

「・・・仁王が自殺したらしいな。

 

何でこんな事に成ったのか・・・・・。」

 

 

 

 

お前は俺を見て言った。

 

 

 

 

「ジャッカルか、驚かさないでくれよ。」

 

 

 

 

何時もと変わらない優しそうな笑顔だ。

 

入院していた所為もあるだろうが、少し顔色が冴えなくも見える。

 

 

 

 

「・・・まさか俺だって仁王が自殺してしまうなんて思っても見なかった。

 

アイツは全力で俺を殺しに来ると思ってた。

 

ていうか、立海の全員が俺を殺しに来ると思っていた。」

 

 

 

 

 

悲しそうに言っているがお前は笑っている。

 

何処かで笑っている。

 

メンバーに殺されなかった事を喜んでいるのか?

 

それとも・・・。

 

 

 

 

「こんなゲーム最初から参加しなければよかったじゃないか?

 

とかジャッカルも思っているのかい?

 

俺は死んでもこのゲームに参加するつもりだった。

 

俺の中学生活は殆どテニスで占められていたからな。

 

でも病気になって、テニスが出来なくなった。」

 

 

 

 

俺にそんな事聞かせてどうする気なんだ?

 

どうする気なんだ・・・。

 

 

 

 

「俺はもうテニスなんか出来ないかもって絶望の中にいた。

 

でも俺の病は奇跡的に治った。

 

やっとテニスが出来るって思ったんだ。

 

もね、政府は俺を逃がしてはくれなかった。

 

俺の目標は世界だ、でもこれに関わった者は世界的な記録を出す事は出来ない。

 

世界に出る事は許されないんだ。

 

でも彼らは俺に約束してくれた・・・。

 

このゲームに参加して俺が優勝したら俺を世界に連れて行ってくれると・・・。」

 

 

 

 

ずっと俺はお前を影の人間だと思っていた。

 

あんな才能が有りながらも部員を支えるお前を。

 

 

 

 

 

「ジャッカル、仁王は俺の前で死んでいった。

 

俺も何で死んだかは分からない。

 

でも俺はアイツにそんな事望んで無かった。

 

俺はこのゲームで勝ちたいと思う気持ちが薄れてきてるのかもしれない。

 

自分でも何がしたかったのかが分からないんだ・・・・。

 

多分、仁王の自殺で困惑してるのかもしれない・・・。

 

絶対に勝って帰ると決めたのに。

 

なのにもうどうでもよくなっているんだ・・・・。

 

仁王の事で・・・・。」

 

 

 

 

 

「よぉ、幸村にジャッカルじゃん。」

 

 

 

 

「ブン太・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

何で血だらけなんだよ、ブン太・・・。