子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.27 繰り返される悲劇

 

 

 

 

 

 

殺し合うのに理由はいらないのに何で涙が溢れるんだろう。

 

これは戦争でこれは自分のために最大限に出来る事なのに善意が邪魔をするんだ。

 

どうしてどうしてこんなにも涙が溢れるんだ。

 

彼女はこの炎の中で死んだのだろうか?

 

 

 

 

「侑士、遅かったな。」

 

 

「あぁ悪かったな、岳人。」

 

 

 

 

この炎は二人を祝福しているのだろうか?

 

 

 

 

「俺たちって本当に火で殺すの好きだよな・・・。

 

これで何人目だっけ?」

 

 

 

 

 

何でこんなに簡単に人の死を楽しめるん?

 

人の命ってそんなに軽いものなんか、岳人。

 

 

 

 

「これで9人やで・・・。」

 

 

9人?少なくないかぁ〜。」

 

 

 

そんな風に指で数えてるけどな、その指の数は人の命が散った数なんやで。

 

 

 

「侑士、そろそろウチのメンバーもヤっとく?」

 

 

 

お前を見てると俺も罪の意識なんてなくなってしまいそうや。

 

 

 

 

 

 

 

お〜い、忍足!!」

 

 

慈郎の声が聞えてきた。

 

 

「・・・あぁ慈郎か・・・・。」

 

「慈郎!」

 

 

なんちゅうタイミングや・・・。

 

 

「跡部に樺地に慈郎。

 

何だ、こんな近くにいたんだ。」

 

 

「何、この火?」

 

 

「これ?

 

何か俺たちに襲い掛かってきた奴が火着けてったんだ。」

 

 

倉庫に着けられた炎は段々と勢いを増していた。

 

 

 

「大変だったぜ、俺ら逃げんの必死だったぜ。

 

で宍戸はどうした?」

 

 

 

「宍戸は・・・・ゲームに参戦している・・・・。」

 

 

 

跡部の声とは思えない様な静かな声でそう言った。

 

 

 

「へぇ〜、宍戸がね・・・。」

 

 

「向日は驚かないの?

 

だって馬鹿な位、マジメで一直線で正義感の強い宍戸がだよ?」

 

 

 

「ここは戦場だし、驚く事もねぇだろ・・・。

 

お前らこれから移動するんだろ?

 

ここじゃ目立つから、別の所行こうぜ。」

 

 

 

向日は向こうの山を指差した。

 

 

 

「あそこなら、見つかる確率も低いと思うぜ・・・。」

 

 

 

 

 

何を考えとるんや?

 

ンマに・・・何を考えとるん・・・。