子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.25 彼の勇気

 

 

 

 

 

 

 

鳳くんは死んでしまった。

 

自分にこれを渡してから彼は首輪を破壊した。

 

とても怖そうにしていたけれど、必死に外していた。

 

自分から10メートルも離れた所で支給された斧で外していた。

 

 

 

外れた時の彼の笑顔はとても輝いていた。

 

 

 

故彼が自分にこんな物を託したのか理解出来ない。

 

首輪が外れたから10分後、放送が入った。

 

 

 

探知機が反応したらしい。

 

彼はこれを持って行ってくれと手紙を渡してきた。

 

このゲームが始まってからずっと一緒に行動してきたのに

 

何でこんな事をしたのか理解できなかった。

 

 

 

 

鳳くんは1年の時、身長が高いというだけで仲良くなれた。

 

自分達は学年で1番と2番目に背が高かった。

 

くんもテニス部に入ると知ってうれしかった。

 

 

 

 

 

彼の死体は森の中、J地点で見つかった。

 

ヘリコプターから銃殺された様に見える。

 

顔に弾が減り込んでいて顔だけでは判断できない。

 

制服を着ていなかったら分からなかったかもしれない。

 

何で止められなかったのかと自分でも後悔している。

 

少しでも長く生きていて欲しかったのに・・・。

 

何で止められなかったのかと思った、何で・・・・。

 

 

 

 

「樺地、鳳の・・・遺体か?」

 

 

 

 

跡部さんと慈郎さんが自分の後を付けてきた様だ。

 

跡部さんの泣きそうな顔を見たのは幼稚等の低学年の頃以来だ。

 

慈郎さんの顔も強張っていた。

 

 

 

 

 

「樺地、鳳は何でこんな事に・・・。」

 

 

「・・・鳳くんはこれを自分に託して行きました。」

 

 

 

精一杯に鳳くんの残した手紙を跡部さん達に見える様に持ち上げた。

 

鳳くんは自分にこれを託して逝った、きっと最後の言葉は

 

自分に生き残れと言ったんだと思う。

 

 

 

 

「樺地、鳳はお前にソレを託して逝ったんだ。

 

お前は戦わなければいけないんだ。」

 

 

 

 

慈郎は今まで見せた事のないマジメな顔で樺地を見つめた。

 

 

 

 

「・・・氷帝は鳳が始めての被害者だ。

 

忍足と向日を探そう、2人なら一緒に行動してるはずだから。」

 

 

 

 

「・・・宍戸さんは・・・。」

 

 

 

「宍戸はもう戻って来ないと思う。

 

アイツは兄貴の復習をしようとしている。

 

今は近付かない方がいい。」

 

 

 

 

 

「皆、どうしてるのかな。」

 

 

 

 

 

3人はその場を離れた。