子供達の聖戦

The Prince of Tennis in Battle Royale 〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Battle.2 星に願いを・・・・   

 

 

 

 

 

 

 

今日は神様のくれた素敵な日、僕は君達と出会えたのだから、

明日は何をしよう、やりたい事が多すぎて決められない。

 

 

 

詩のコンクールで入賞していた初等部の女の子が書いたもの。

 

僕と一人称にしたのは彼女が男の子とばかり遊んでいたからだろうか?

 

 

 

「観月、こんな事態に落ち着いていられるなんてどうかしるぞ。」

 

 

 

『落ち着いている?僕が?そんな訳ないだろう、赤澤。

 

僕だって冷静を装っているだけなんだから。』

 

 

 

「観月さんはここで騒いでも仕方ないって思ってるんじゃないんですか?」

 

 

 

茶髪の短髪を触りながら裕太は日に焼けた肌の赤沢にこっそりと耳打ちした。

 

 

 

「裕太くんの言うとおりです、ここで騒いでも仕方ありません。

 

あの男に見張られてるウチは大きい声は慎んでください。」

 

 

 

 

「・・・今、幸村くんも参加する事が決まりました。

 

皆さんも気を引き締めて殺し合いをするように、彼や、立海は皆さんよりも

 

優遇される事に成りますから・・・」

 

 

 

 

『何だって!?政府は病み上がりの彼にまで戦わせるというのか?

 

しかも、彼の参加で立海は優遇される・・・。』

 

 

 

 

『あいつが参加するっていうのは立海のメンバーを優遇するためじゃない。

 

通常プログラムに参加した者は3年間、公然の前に姿を現せない。

 

あいつが全国に拘っていたのは俺が一番知っているからな。

 

もし、政府が幸村に全国行きの切符を条件にしていたら?

 

あいつは全国への切符のために自分の命を危ない目に晒すという決断をしたのか?

 

そんなに全国制覇という名誉が欲しいのか?幸村!!

 

お前をそこまでさせるのはやはり兄の存在なんだな。奴はゲームに乗った、

 

そして俺達は他のメンバーに狙われやすくなった。』

 

 

 

 

真田は幸村への思いを教室の天井へ向けた。

 

 

 

 

「幸村、お前のプライドはお前を破滅へと導いてしまった様だ。」

 

 

 

『怖い、こんなの初めてだ。』

 

 

観月の周りには聖ルドルフのメンバーが囲んでいる。

 

 

 

『何故、僕がこんな所にいるのでしょうか?

 

僕は只、テニスがしたくて東京に来ただけなのに。

 

しかも、全国・・・関東にすら行けなかった僕達がここに居ること自体

 

おかしな事なんじゃないのか・・・・。』

 

 

 

 

「すみません」

 

 

観月は手を上げて政府関係者に質問した。

 

 

 

「さっき、このプログラムに参加する事の出来る人は

 

関東大会、全国大会に出場権のある者と言っていましたよね。

 

僕達、聖ルドルフ学園は地区大会で敗れています。

 

適正とは言えないのではないでしょうか?」

 

 

 

政府関係者は俯き加減に言った。

 

 

 

「確かに君たちはこのプログラムに参加する資格がない。

 

そんな事、百も承知です。君たちはこのゲームには参加しない

 

代表は幸村くんが参加すると予想していたんでしょうね・・・」

 

 

 

「それって・・・」

 

 

 

裕太が口を挟み込もうとした時、幸村が教室内に入ってきた。

 

 

 

 

「やぁ、幸村くん。君が来てくれるのを待っていたよ、代表も

 

口説き落とすのが上手いんですね。

 

では、幸村くんには特別に優遇措置が採られます。

 

1つは政府が選んだ選択肢を選びます、もう1つは幸村くん自身が武器を選べます。

 

まずは武器、幸村くんはもうデイバッグを持っていますから、選択肢の方へ。

 

1、一つの学校を消す。

 

2、幸村くんの居る場所は立ち入り禁止区域にしない。

 

3、1の学校を聖ルドルフにして立海メンバーの武器を幸村くんが決める。

 

のどれか。」

 

 

 

「ちょっと待てよ!ルドルフに限定するなんて!」

 

 

 

 

「赤沢くん、彼等は最初から僕達を見せしめにするために、

 

ここに連れて来たんです。」

 

 

 

 

関係者はざわめく声を気にしないかの様に言った。

 

 

 

「幸村くん、選んでください。」

 

 

 

 

 

星に願いを・・・神様が叶えてくれる夢や与えてくれる希望

 

僕達には神様は微笑んでくれなかっただけ・・・・

 

否、微笑んでいるに違いない。だって僕達は殺し合いをせずに

 

済むんだから・・・汚れることなく、星に成れるのだから。

 

 

 

 

 

「裕太ぁ〜!!!!!」

 

 

 

 

青学の不二の声は高らかに上がった。

 

頭から弟の血を被った不二は関係者を睨み付けた。

 

そして、幸村へとその視線をずらした。

 

 

 

 

「・・・幸村、君は・・・そんなにも人を殺したいのかい?

 

わざわざ、プログラムに自分から参加してまで。

 

僕は君を許さないよ、絶対、絶対・・・・」

 

 

 

 

裕太の首輪は爆破していたが首と体は繋がっていて

 

比較的、綺麗だった。

 

 

 

『これなら、父さんも母さんも姉さんも裕太に会えるよね。』

 

 

不二は裕太の目を瞑らせ、手を組ませた。

 

 

 

絶対に幸村を・・・彼を殺してみせる・・・

 

僕が他の誰かに殺されたとしても構わない、彼だけは彼だけは・・・・・・』

 

 

 

 

「ではプログラム説明を始める、

 

現在地の書いてある地図が今から手渡されるデイバッグに入っている。

 

この無人島は昨年もプログラムを実行した場所だ。

 

だが、死体は綺麗に撤去してあるので安心して戦うように。

 

地図にはエリアごとに色が違っている、現在の廃校はお前達が出た10分後に

 

禁止エリアになるので注意する事。

 

直、この戦いは無制限マッチなので殺し合いの具合を見て

 

1日誰も死ななかったらランダムに首輪の爆弾が作動することに成っている、

 

なので1人が死ぬことになる。死にたくなかったら1人は必ず殺すように。

 

食料はデイバッグの他にも廃墟に缶詰などが残ってる可能性もある。

 

3日以外の食料は各自で自給すること。以上だ。」

 

 

 

 

『星に願いを懸ける時、誰でも心から願うなら

 

きっと願いは叶うだろう。

 

心の奥底で夢をみているのなら夢追人がするように

 

星に願いを懸けるなら叶わぬ願いなどない』

 

 

 

 

聖ルドルフ学園、観月はじめ、不二裕太、赤沢吉朗、木更津敦、

 

柳沢慎也、金田一郎、野村拓也以上7名死亡