子供達の聖戦

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

Battle.13 此処は戦場成り

 

 

時を超えて…俺は立直ったのに…

彼らはまた僕を目覚めさせてしまった。

 

「幸村!?」

 

真田は幸村を呼んだ。

彼成りに気をつけているのだろう、

真田は幸村から約イチメートルほど離れた場所に立っていた。

 

「真田、僕に殺されに来たの?

丁度いいタイミングだね。

俺の武器、ショットガンなんだよ。

君に勝ち目は無いよ。

まぁこの武器も君達が犠牲に成ってくれたから手に入ったんだけどね。」

 

 

真田は自分のデイバッグを幸村に投げた。

 

 

「幸村、このバッグお前に返すぞ!

俺はハズレ武器で勝てるとは思っていない、が俺には仲間がいる。

今まで一緒に戦ってきたチームメイトだ。

あいつ等が居れば俺は戦わずに此処から逃げる事も

可能だと思っているんだ!

幸村、お前の考えは俺には理解できない・・・。」

 

 

幸村は真田の投げたデイバッグを拾った。

 

 

「気に入ってくれなかったかい?

俺の選んだ武器・・・。

そう、“ラケット”だよ、真田。

お前が大好きなテニスラケット・・・・。」

 

 

真田の顔が微かに歪んだのを幸村は見逃さなかった。

 

 

「・・・ふっふふふ・・・。

真田、お前はもしも武器が銃だったら・・・

俺にこんな風に返したりしなかっただろうね。

だって、此処に急いで開けた所為で出来た傷がある。

お前は所詮奇麗事しか言えないんだよな?」

 

 

真田は幸村に心を読まれた事に驚いた。

 

 

「・・・何故、そう思うのだ?幸村・・・。」

 

 

幸村はショットガンを真田に向けた。

 

 

「・・・どうしたの?真田・・・。

お前の奇麗事にはウンザリだよ。

・・・殺さなきゃ生きて帰れない、そんなの当たり前だろ?

此処は戦場なんだよ、しかも1人しか生き残れない戦場・・・。

しかもお前は自分の武器を調べる事に懸命でバッグに

傷が付いたことも気が付かなかった。

お前も所詮は汚い人間なんだよ、真田。

一つの希望に心奪われた汚い人間・・・。」

 

 

『そう、俺みたいで吐き気がする。

お前を見ていると彼女を思い出す、汚い人間。

綺麗なフリをした汚らわしい・・・。』

 

 

幸村は真田に向かってショットガンを放った。

血飛沫が辺りの草に零れていった。

 

 

「俺のこと、イラ付かせんなよ・・・。

アンタに俺は勝ったんだ、アンタには勝ったんだ。」

 

 

『お姉ちゃんね、来週から北海道に行って来るね。

お母さん達には後で言うから、精一は黙っててね。』

 

 

『分かったよ、お姉ちゃん。

じゃあ、テニスで勝負はお預けだね。

今度こそ勝つからね。』

 

 

幸村の姉は微妙な笑みで幸村を見つめた。

 

 

『精一、私が帰ってきても私の事お姉ちゃんって呼んでくれる?』

 

『・・・私、精一に・・・・。』

 

 

「アンタは帰って来なかった

俺との約束も守らなかった・・・。

アンタはこの戦いで勝ったのにね。」

 

 

幸村は真田の死体から離れた。

デイバッグの中の食料を自分のデイバッグに移し変えて。

 

 

 

To be continude.......