子供達の聖戦

~The Prince of Tennis in Battle Royale~

 

 

 

 

Battle.12  君の名前は覚えている

 

 

 

 

千石と室町は自分の背後にある人陰に気付いていた。

 

 

 

「室町くん、此処は危険な気がしない?

 

やっぱり彼かなぁ〜?」

 

 

 

「・・・彼ですか?

 

俺は違うと思いますよ・・・。

 

だって彼は反対方向に向かって行きましたから。」

 

 

 

 

千石と室町は小声で話しつつ、自分の武器を出し始めた。

 

 

 

 

「まさか、殺されるなんてゴメンだよ。」

 

 

 

「千石さん、殺すのも結構、キツイっすよ。」

 

 

 

 

 

『何をしている?』

 

 

 

 

 

「殺されるのは勘弁ね、

 

それは室町くんも含めてね。」

 

 

 

 

「なっ・・・」

 

 

 

 

 

千石は室町の腹をカッターで刺した。

 

 

 

 

 

「室町くんは人を信じ過ぎだよ。

 

此処では人を殺すのが生き残るルールなんだよ。」

 

 

 

 

室町は膝から崩れ落ちた。

 

 

 

 

「ねぇ、出ておいでよ!!

 

君も殺しに来たんだろ?佐伯くん。」

 

 

 

 

 

「いや〜、バレてたんだ。

 

さすが千石くん。」

 

 

 

 

 

佐伯は木の間から現れた。

 

 

 

 

「僕も君も動体視力の良さは並外れているからね。

 

やっぱり、君の武器はカッターか。

 

主催者はやっぱり考えがある見たいだね。」

 

 

 

 

 

佐伯は自分のカッターを千石目掛けて投げた。

 

それと同時に千石目掛けて走り始めた。

 

 

 

 

 

「佐伯くん、君は大丈夫なの?

 

ちゃんと考えてから行動しないと

 

直ぐに死んでしまうよ。」

 

 

 

 

 

千石の顔に真紅の液体が跳ねた。

 

 

 

 

「僕がカッター投げると思ったの?

 

動体視力の良さでは僕が勝っているというのに・・・。

 

やっぱり君はバカだね。」

 

 

 

 

千石は佐伯の投げたカッターを広い上げて言った。

 

 

 

「このカッターは貰っておいてあげるよ。

 

それに何年過っても君の名前は覚えておいてあげるよ。」

 

 

 

 

佐伯の耳には千石の声だけが木魂していた。